Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
Copy-neutral LOH (CN-LOH)はFISH法やArray CGH法などの既存の方法では同定できず、SNP arrayを用いることで同定することが可能な染色体不安定性領域であるが、卵巣癌におけるCN-LOHの意義については明らかにされていない。今回、上皮性卵巣癌に特異的なCN-LOH領域を明らかにし、その意義を明らかにすることを研究の目的とした。遺伝子倫理委員会の承認のもと同意が得られた漿液性卵巣癌43例、明細胞腺癌24例において、SNP array 6.0(Affymetrix)を用いてCN-LOHの頻度、分布について組織間で比較検討した。CN-LOH解析にはPartek Genomic Suite 6.5 (Partek)及びCNAG (Yamamoto et al.Am J Hum Genet.2007 ; 81 : 114-126)を使用した。漿液性腺癌群では、CN-LOHが高頻度かつ、ゲノム全体に認められた。特に17番染色体上に、40%以上の漿液性腺癌に共通したCN-LOH領域が存在することを同定した。これらの共通領域については、漿液性卵巣癌30例(GSE19539)の独立したデータセットで同様の傾向を示す事を確認した。一方、明細胞腺癌では1番染色体上に10-15%前後の症例で共通するCN-LOH領域が存在したが、ゲノム全体としてCN-LOH領域は、漿液性腺癌群に比し、非常に少ない傾向にあった。今回の解析により、上皮性卵巣癌において組織型によりCN-LOHの頻度、分布に明らかな違いが存在することを明らかにした。今後漿液性卵巣癌に共通するCN-LOH領域に存在する遺伝子のgenetic alterationについて検討を進める予定である。
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