Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は、我々の開発した子宮局所における一過性遺伝子導入法を用いて、早産を誘発する分子の探索を研究の目標としている。早産の病態として上行性感染によって引き起こされた絨毛羊膜炎によって子宮内で炎症を起こし、その後に陣痛発来・前期破水の形態をとることが知られている。これまでに我々が確立してきたHVJ-E vectorを用いた妊娠後期マウス子宮局所への一過性遺伝子導入法は、妊娠中後期マウスの子宮内・卵膜外において目的とする遺伝子を強制発現させることが可能であり、早産の病態をin-vivoで再現するには非常に適した手法である。早産の病態解明・発症予知・治療戦略を最終目的として、まずは早産モデルマウスの作成と解析を研究目的とした。この研究が早産の病態解明への一助になるとともに、早産を回壁させうる分子標的治療の開廃が期待できる。さらにこの治療法を開発することにより、日本の切迫した周産期医療や新生児医療の改善に寄与するであろう。早産に関与する可能性のある分子には炎症性サイトカイン・ケモカインであるMIP-2(マウスのIL-8)・IL-6・IL-1・TNF-αや、その転写因子であるNFκBなどが候補として挙げられた。具体的な実験方法として、MIP-2・IκB-αの分子をcodeしているcDNAをそれぞれ発現ベクターであるpcDNA3にサブクローニングし、pcDNA3-MIP-2(etc)/HVJ-Eベクター懸濁液を作製した。これをマウスの妊娠後期にあたる交配後14.5日目のICRマウス子宮内に導入した。コントロール群としてはpcDNA3/HVJ-Eベクター懸濁液のみを遺伝子導入した。残念ながらMIP-2およびIκB-αを遺伝子導入した妊娠マウスは早産に至らなかった。遺伝子導入後のマウス子宮を24時間後に摘出し、Western-Blotting法にて遺伝子導入した蛋白が発現しているのを確認した。
All 2012 2011
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