歯周炎症抑制の標的蛋白としてのカベオリンー1と可溶性gp130の有用性
Project/Area Number |
23792477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Periodontal dentistry
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山口 知子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90580267)
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Project Period (FY) |
2011 – 2013
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 歯周病 / 慢性炎症 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
IL-6は歯周病の炎症病態を増悪させるサイトカインであり,歯周病病巣における歯肉線維芽細胞の動態について,IL-6の作用を中心に解明してきた。これまで,IL-6は歯肉線維芽細胞の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)やカテプシン産生を亢進することが明らかにされている。本研究では,これまで得られた知見をもとに,細胞内標的分子として細胞膜蛋白カベオリン-1,細胞外標的因子としてIL-6刺激伝達分子である可溶性gp130(sgp130)に着目し,その炎症抑制効果を検討する。最終的にはIL-6をとりまく歯周炎症のメカニズムを解明し,その制御を目指すことを目標として研究を進めてきた。これまでの研究の実施状況を報告する。 培養実験において,ヒト歯肉線維芽細胞におけるIL-6誘導性のカテプシンBとLの産生にはカベオリン-1が関与しており,総カテプシンBとLの細胞内蓄積における刺激伝達系にはこれまでの報告と同様にJNKが,分泌にはJNKのみならずp44/42MAPKも関与していることが明らかとなった。 動物実験において,マウス微弱炎症モデル(IL-6炎症モデル)を作成した結果,血清中IL-6濃度が上昇するとともに,血清中の前駆体カテプシンBとLの濃度は低下し,血清中のカテプシンBとLの濃度が上昇した。 臨床的検討において,歯周病患者群において,健常者群と比較した場合,血清中の前駆体および活性型カテプシンB濃度が上昇した。歯周病患者群の中には,血清中の前駆体カテプシンB濃度が著明に上昇しているものがみられた。 以上のことから,カテプシンBが歯周炎症に関与しており,将来,カベオリン-1やsgp130を標的としたIL-6による歯周病悪化を抑制制御し得る可能性を示唆した。さらには,IL-6がもたらす結合組織での炎症メカニズムの解明につながると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)