Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
【研究内容】二人一組のペアが、一過性把持力のピーク値を標的力に合わせる課題を2種類行った。個別課題においては各々の把持力を、その後行われた統合課題においては二人の合計把持力を標的力に一致させる課題が課された。相互のパフォーマンスの事前知識の影響を調べるため、個別課題の試技中および全試技終了後にお互いの結果が提示される事前知識群(健常者ペア20組)と、.個別課題の試技中も全試技終了後も相手のパフォーマンスに関する情報が提示されない非事前知識群(健常者ペア20組)が設定された。さらに、假人間および個人内協応の差異を明確にするため、同条件での両手課題実験も行われた(両手課題群:健常者20名、'3群合計で被験者100名)。その結果、個別課題では各群に差が見られなかったにも関わらず、共同課題の成績は非事前知識群が最も良く、事前知識群と両手課題群では有意にエラーが大きかった。詳細な分析の結果、事前知識群は統合課題において相互のばらつきに応じて力配分を最適化していたが、一方で個々のばらつきが有意に増大する傾向にあった。また、両手課題群は他の群に比べて二つの力変動に強い正の相関が見られ、この相関が総合課題のパフォーマンスに悪影響を及ぼしていた。これらの結果は、共同課題における個人内協調と個人間協調は質的に異なること、個人間協調においては相互のパフォーマンスの提示が必ずしもいい影響ばかりを及ぼすわけではないことを示唆した。【成果の意義・重要性】本研究は、ゴール志向性共同課題を行う際にお互いのばらつきを事前に知ることの影響を定量的に明らかにした。パートナーの情報提示は正負両面の影響があるため、共同作業の促進のためにはこれらの影響を考慮した情報提示が重要であることが示唆された。この成果は、クラウドソーシングなどインターネットを介した共同作業時の適切な情報提示法の開発等に貢献しうると考えられる。
All 2011 Other
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PLoS Computational Biology
Volume: 7(9) Issue: 9 Pages: e1002159-e1002159
10.1371/journal.pcbi.1002159
トレーニング科学
Volume: 23(2) Pages: 105-111
http://www.fennel.rcast.u-tokyo.ac.jp/profilej_abe.html