Project/Area Number |
23850015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
竹林 智司 早稲田大学, 総合研究機構, 招聘研究員 (10609283)
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Project Period (FY) |
2011 – 2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 炭素-水素結合活性化 / イリジウム / ロジウム / フェロセン / 炭素-炭素結合生成反応 |
Research Abstract |
平成24年度は本研究の最終目標である水素のみを副生成物とする触媒的炭素-炭素結合生成反応の開発を、前年度に開発した一価のイリジウム-ジエン触媒と三価のロジウム-シクロペンタジエニル触媒を用いて行った。その結果これまでに報告例の少ないフェロセン誘導体の炭素-水素結合活性化反応の開発に成功した。一価のイリジウム-ジエン触媒を用いた場合、ピリジル基を配向性置換基として持つフェロセン誘導体の炭素-水素結合を活性化することに成功し、この活性化によって生じる三価のイリジウム-フェロセニル-ヒドリド中間体がアルケンやアルキンとの反応によって1,2,5-三置換フェロセン誘導体を与えることを見出した。また配向性置換基としてピリジル基より嵩高いイソキノリル基を用いることによって面不斉を有する1,2-二置換フェロセン誘導体を高選択的に合成することに成功した。この反応を光学活性ジエン配位子を用いることで理論上、工業的に重要な光学活性1,2-二置換フェロセン誘導体を合成することができる。また、ボスフィンオキシドを配向性置換基として用いた場合にも面不斉を有する1,2-二置換フェロセン誘導体を高選択的に合成することに成功した。ホスフィンオキシドはシラン化合物により容易に有用なホスフィン配位子に化学変換することができるため、この手法は光学活性ホスフィン配位子の合成に利用できる。三価のロジウム-シクロペンタジエニル触媒を用いた場合、HBF_4の存在下イミノ基を配向性置換基として持つフェロセン誘導体の炭素-水素結合を活性化し、イソシアネートとの反応によって高収率で1,2-二置換フェロセン誘導体を与えることを発見した。また配向性置換基として光学活性なオキサゾリル基を用いた所、この触媒系が高ジアステレオ選択的に光学活性1,2-二置換フェロセン誘導体を生成することを発見した。この反応によって生成するアミド基を還元することで光学活性な二座のアミン配位子の合成に利用できる。これら二つの反応はホスフィン配位子を用いる必要がないため、アミン配位子の存在下でも炭素-水素結合活性化反応を進行させる可能性があり、今後の研究において利用できる。
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