Project/Area Number |
23870025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
川口 眞理 上智大学, 理工学部, 助教 (00612095)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 分子進化 / 孵化 / 卵膜 |
Research Abstract |
トミヨ孵化酵素LCE遺伝子は重複した後に機能分化していることを見出した。LCEは2つの特異的な切断点を持ち、卵膜を可溶化する。トミヨLCEはα型とβ型が存在し、α型が2つの切断点のうち1つを、β型がもう一方を切断し、2つのLCEが補完的に働くことにより、本来のLCEの機能を維持している。今年度はLCE遺伝子重複の進化過程を調べた。トミヨLCE遺伝子のクラスター構造をFosmidライブラリーを作製して決定した。LCE遺伝子は約12kbpの領域に3コピー存在していることが分かった。3つのLCE遺伝子の配列から組み換えタンパク質を作製して活性を調べた結果、α型が1つとβ型が2つであった。エクソン-イントロン構造は他の正真骨魚類の孵化酵素遺伝子とよく一致していた。一方、トミヨと同様にトゲウオ科に属するイトヨでは、ゲノムプロジェクトより、LCE遺伝子は単一コピー遺伝子だった。トミヨのLCEクラスターの塩基配列をイトヨのLCE遺伝子の周辺の配列と比べると、トミヨLCEクラスターの両端の配列はイトヨのLCE遺伝子の上流および下流の配列と高い相同性を示した。これらのことから、トミヨへの進化過程でLCE遺伝子のみが縦列重複したことがわかった。さらにLCE遺伝子を他のトゲウオ科魚類4種からクローン化した。Spinachia属とApeltes属からは1つのLCE遺伝子がクローン化された。トミヨ属の別種イバラトミヨからは2種類のLCE遺伝子がクローン化され、それらは組み換えタンパク質の実験より、機能分化していることがわかった。Culaea属からは2つの遺伝子がクローン化され、互いに94%の類似性を示した。トミヨの3つのLCE遺伝子のうち、機能分化しているLCE同士は83%なのに対して機能分化していないβ型LCE同士は95%の類似性を示していたことから、Culaeaの2つのLCEは機能分化していないと予想される。トゲウオ科魚類の分子系統樹でトミヨ属とCulaea属が姉妹群を形成していることから、両属の共通祖先でLCE遺伝子の重複が起きたのち、トミヨ属内での進化過程で機能分化したことが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)