Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
本研究は膠原病、特に関節リウマチに併発する間質性肺炎(IP)の発症および病態進行の分子・細胞基盤を明らかにすることを目的としていることから、IPを併発する関節炎モデルマウスを用いて実験を行った。モデルマウスとして使用したD1CCマウスは、関節軟骨特異的にMHCクラスIIが発現しており、低用量のコラーゲン免疫により関節炎が誘導され、その後、肺においてIPが発症することが知られている。本年度は、まず一般的なIPモデルマウスである、ブレオマイシン誘導性IPを用いて、マウス肺の摘出、固定、包埋等を予備実験として行なった。ブレオマイシン投与後に肺を摘出し、標本を作製しヘマトキシリン・エオジン染色を行い、IP発症を確認した。さらに、IL-18とIL-2の連日投与によって肺にリンパ球浸潤が起こり、肺線維症を伴う間質性肺炎が誘導されるとの報告がある。そこで、C57BL/6マウスにIL-18とIL-2の連日投与を行ってみたが、こちらはIPを発症は認められなかった。これらの予備実験を参考に、肺サンプル作成に関する条件を検討後、D1CCマウスへII型コラーゲン免疫を2回行い、関節炎を発症させた。現時点では、IP発症前の肺を摘出し、凍結およびパラフィン切片、さらにマイクロアレイに使用するmRNA抽出用サンプルの調整を行った。今後は間質性肺炎の血清中マーカーであるSP-Dの上昇を指標にすることで、IP発症期、その後の線維化期を判断し、それぞれの段階で肺を摘出する予定である。