上皮管腔形成におけるWnt5aによる極性制御の分子機構
Project/Area Number |
23890094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
麓 勝己 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40467783)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | Wnt5a / 上皮管腔 / 極性 / Wnt3a / β-カテニン経路 |
Research Abstract |
本研究では、マウス胎児より摘出した臓器の上皮管腔組織をモデルとし、管腔形成におけるWntシグナルによる極性制御の分子機構とその意義を明らかにすることを目的とする。今年度は、上皮管腔形成を解析するための実験系の確立、極性因子群の局在変化、Wntリガンドによる上皮管腔に対する影響を解析した。実験系として、胎生11日目マウス胚より摘出した肺を用いて1) 器官培養(細かな穴(直径0.4μm)の開いたフィルターをメディウム上に浮かせ、その上に臓器を静置し培養する)、2) 上皮単独培養(間質を取除いた上皮組織をマトリゲル内に埋め込み培養する)、の二つの培養系を確立した。これにより注目している極性因子群の局在変化解析や過剰発現系及び発現抑制系を用いた機能解析を行うことが可能となる。次に頂底極性に関与する極性因子群の局在変化を解析するため、免疫染色を行ったところ、頂端マーカーであるEzrinが管腔の陥入部において消失している。このことから上皮管腔が分岐する際には脱極性が必要であることが考えられた。さらに興味深いことに、Wnt5aリガンドを上皮単独培養系に処理すると分岐が抑制され、頂端マーカーの強い染色が見られたことから、極性化に対して促進的に働くことが考えられた。一方、Wnt-β-カテニン経路の代表的リガンドであるWnt3a処理によって、上皮管腔の分岐が誘導されることも見いだした。Wnt5aはWnt3aによる遺伝子発現調節経路(Wnt-β-カテニン経路)を抑制することが知られており、Wnt5aは生理的に発現している他のWntリガンドに対して抑制的に働いている可能性も考えられる。以上より、Wnt5aによる極性制御だけでなく、Wnt5aと他のWntリガンドとの協調的な働きが管腔形成に重要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)