Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Research Abstract |
歯根膜組織は、歯槽骨あるいはセメント質に陥入したシャーピー線維を形成することによって、歯根の支持に重要な構造体を維持していると考えられている。本研究では、伸展刺激が負荷されたヒト歯根膜細胞において発現の上昇が認められたinterleukin-11 (IL-11)に着目し、IL-11がシャーピー線維の形成あるいは維持に関与していると仮説をたて、その解明を目的とした。今年度の実験計画としては、[1]IL-11の歯根膜細胞および骨芽細胞に及ぼす影響(歯根膜線維関連タンパクおよび骨関連タンパク、そして破骨細胞調節因子め発現ならびに石灰化誘導能の解析)、[2]IL-11のヒト歯根膜幹細胞分化に及ぼす影響(歯根膜幹細胞株を用いて線維芽細胞・骨芽細胞・セメント芽細胞への分化誘導能の解析)ついての検討であり、それぞれ実験を行った。 抗IL-11抗体を用いた免疫組織化学的染色の結果、歯根膜組織に陽性反応を認め、歯槽骨側およびセメント質側により強い反応が観察された。またrecombinant IL-11でヒト骨芽細胞株Saos-2を刺激した結果、細胞増殖能の促進および骨関連遺伝子(periostin, ALP, OCN, OPN)のmRNA発現の上昇が、無刺激群と比較して宥意に認められた。以上の結果から、歯根膜組織において、IL-11は歯槽骨側およびセメント質側に強く発現しており、骨芽細胞の分化能および増殖能を刺激することにより、歯槽骨との界面における骨代謝の調節に関与していると考えられる。 一方で、未分化なヒト歯根膜幹細胞株に同様の刺激を行った結果、細胞増殖能に変化はなかったが、セメント質関連遺伝子(CP23,BSP)のmRNA発現の上昇が認められた。このことから、IL-11が未分化なヒト歯根膜細胞におけるセメント芽細胞分化を促進することが示唆され、これらの結果は学会にて報告を行った。このように平成23年度の研究によって、IL-11の歯根膜組織における機能的役割について、明らかにすることができた。
|