Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
まず初めに、大腸内視鏡の生検検体を用いてChIPSeqを行うための標準プロトコールを確立するべく、検体からの細胞分離の方法並びに次世代シークエンサー(SOLiD4)を用いたChIPSeq法のプロトコールの各段階を詳細に検討し、最適化を行った。検体からの細胞分離の方法としては、腺管分離法により直接上皮細胞成分のみを分離する方法を採用した。この改良したプロトコールを用いることで、微量な内視鏡生検検体、1x10^5個の細胞、1ng程度のChIP-DNAのサンプルからでもChIPSeq法を施行することが可能となり、十分に質の高い再現性のあるデータを得ることができた。次に実際に複数の内視鏡検体を用いてヒストン修飾K27me3に対するChIPSe像実験を施行した。バーコード技術を用いて一度に複数のChIPSeqサンプルをシークエンスすることにより、コストと時間を大幅に削減することができた。ほとんどのサンプルで質の高いデータを得ることができた。現在これらのChIPSeqデータをより詳細に解析中であり、今後更に検体数を増やしてヒストンH3K27me3に対するChIPSeqを施行し、果たしてこれが臨床的に有用な分子マーカーとなりうるかどうかの検証を行う予定である。本年度は、大腸内視鏡の生検検体を用いてChIPSeqを行うための標準プロトコールを確立することができた。本研究で確立されたプロトコールは、H3K27me3以外にも様々なヒストン修飾並びに転写因子に関して広汎に応用可能であり、大腸癌の臨床検体を用いた研究に大変有用なツールとなることが期待される。
All 2011
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