Project/Area Number |
23907001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | 宮城県仙台東高等学校 |
Principal Investigator |
石森 広美 宮城県仙台東高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2011: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | グローバル教育 / アセスメント / アウトカムベース |
Research Abstract |
本研究の目的は、高校においてグローバル教育を定位させ、有意味に展開するために必要となる授業設計と評価の指針を明確にすることにより、可視化しにくいグローバル教育の成果や生徒の学習面に与えるインパクトを明らかにすることであった。具体的には、グローバル教育を主眼とした授業の重層的で多様なアセスメントに着目し、授業展開における実践的成果と課題を検証すること、また、グローバル教育が生徒に与えるインパクトや生徒の学びを明らかにすることを目指した。 主な成果は、下記の3点である。 1.形成的アセスメントに着目しその概念や諸特徴を明らかにし、グローバル教育の評価概念として位置づけた点である。従来のエヴァリュエーションではなく、教師と生徒の応答的なプロセスから学びの進捗状況を把握し生涯学習に向けて開かれたアセスメントについて吟味し、OECDや欧米の先行研究を参照に、グローバル教育との親和性を検討した。 2.グローバル教育の特性に応じたアセスメントのあり方を探究し、ペーパーテストのみに依存しない多層的・重層的なアセスメントを提起した。研究協力者と共に共同的アクションリサーチを実施した結果、授業進行中に展開する多様なアセスメントは、教師にとって生徒の学びの状況や変化に関する情報把握に役立ち、また生徒にとっても多彩な学習成果を蓄積できる利点が明らかになった。また、形成的アセスメントとしての生徒による自己評価活動は、生徒にセルフエスティームや学習へのさらなるモティベーションをもたらした。 3.グローバル教育が生徒に与えるインパクトや生徒に獲得される学びを整理した。研究協力者の授業の受講生徒(31名)に、グローバル教育に関する授業の継続的受講から学んだことについて記述してもらい、それを類型したところ、「自分と世界とのつながり・関連」「思考力・探究力・知的好奇心や関心」「広い視野・多角的視点」「自己探求・自分のあり方や生き方」の4点に集約された。 高等学校で効果的にグローバル教育を実践するためには、明確な授業の目標・評価の設定および両者の連携が重要であり、生徒の学びをアセスする多様な手法(自己アセスメント、ピアアセスメント、エッセイ、グループ討議、筆記試験等)を組み合わせる方法の有効性が認められた。
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