Research Abstract |
【研究目的】 本研究の目的は,高校上級レベルの学習者が使用できる英語聴解力養成用CALL教材American Daily Life(以下,DL)を高校中級レベルの学習者が使用できるように,その教材で使用される語彙を事前に学習するための補助的な語彙教材Step-Up Vocabulary for American Daily Life(以下,VDL)を開発することであった. 【開発手順概略】 目標教材DLから高校中級学習者でも学習済と見なせる語彙(中学校教科書の語彙や英語由来のカタカナ語など)を削除し,VDLで学習する語彙を選定した.既知の語彙に加えてVDLを使用することにより,DL中の語彙95%以上がカバーできるようになる.続いて,選定した語彙を使用しNation(1990)らの指摘をふまえた用例を2種類作成した.ひとつは学習語彙の意味の定着を支援する「基礎用例」で,もうひとつは学習語彙が目標教材でどのように使用されるかを示す「応用用例」である.トピック毎に10語ずつ分類された学習語彙(全280種)と計560の用例を,千葉大学で開発され高い効果が検証されている語彙力指導システムおよびCALL教材開発用ソフトウェアを使用して教材化した.語彙や用例は,静止画や音声,スペリング,意味と共に,パソコン上でブラウザーの標準機能を使用して提示される. 【検証結果(予想)】 報告書作成時点では指導効果の検証まで実施できなかった.同様の趣旨に基づき先行して開発された高校初級向け語彙教材Step-Up Vocabulary for First Step Abroadは,目標リスニング教材の学習を容易にするだけでなく語彙力の養成一般に使用できることが明らかになっている(桑原・高橋,2012)ので同様の結果が期待できるが,詳しくは今後指導を行って確認したい.
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