新規作用機序制吐薬アプレピタントの有効性に関する研究
Project/Area Number |
23928018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
|
Research Institution | 株式会社テイコク製薬社 |
Principal Investigator |
山田 智沙佳 株式会社テイコク製薬社, テイコク薬局・西院店, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2011
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
|
Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 電子カルテ / アプレピタント / 薬剤使用評価 |
Research Abstract |
【研究目的】非小細胞肺がんに対して行われるナベルビン/シスプラチン(VNR/CDDP)併用療法において、シスプラチンによる遅発性の悪心・嘔吐は患者のQOLを妨げる重大な副作用である。2009年に日本において、抗がん剤による遅発性の悪心・嘔吐に奏効するとされるNK1受容体拮抗薬アプレピタントが承認され、現在使用されているが、日本人に対する効果についての報告はまだ多くない。そこで、アプレピタント使用前後における遅発性悪心・嘔吐の発現について精査しアプレピタントの効果を明らかにすることを目的とした。 【研究方法】2006年9月から2011年4月までに京都大学医学部附属病院呼吸器外科においてVNR(25mg/m2)/CDDP(40mg/m2)療法が初回施行された全ての患者を対象とした。抗がん剤投与後5日目までの嘔吐の有無、遅発性悪心に対する制吐薬投与歴などについて電子カルテよりデータを収集し、従来の制吐療法時とアプレピタント併用療法時との比較を行った。 【研究成果】調査期間中、VNR/CDDP療法が施行された患者は69例で、アプレピタントが投与された患者は18例、アプレピタント承認前の非投与患者は51例であった。このうち、嘔吐が見られたのはアプレピタント非投与群の2例(4%)のみで、アプレピタント投与群では嘔吐は認められなかった。また予防目的や臨時追加としてドンペリドンやデキサメタゾン等の制吐薬が投与された患者は非投与群では37例(73%)、投与群では10例(56%)であり、アプレピタント投与群で有意に減少していた。以上により、アプレピタントは遅発性悪心・嘔吐に対して有用であることが示唆された。今後、予防や臨時追加の制吐薬の必要性も含めた詳細な検討が必要であると考える。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)