Research Abstract |
本格的な高齢社会を迎えている我が国において,高齢者福祉および高齢者介護が問題となっている.介護者不足や介護者の肉体負担軽減の目的から様々な介護器具などが研究されている.そこで本研究では,このような介護器具の研究を効率的に推進するために,器具を用いた介護動作やその際に外部に及ぼす力を測るという目的から,カメラによる動画像の撮影に同期して各種センサの出力や圧力分布測定器の出力を計測できるシステムの構築を目指した. 開発したシステムは,Visual Studio 2010を用いて独自に開発したアプリケーションソフトにより,ノート型パソコンにUSB接続のカメラを取り付けて動画像を撮影する.また,USB接続タイプのAD変換器(Contec・AIO-160802AY-USB)を備え-10~+10Vの各種センサの出力を16bitのデジタルデータに変換して,最大8chまでの計測を行うことができる。同時に,LLセンサー((株)シロク・LL562×462)を用い562×462mmの範囲における圧力分布をセルの分解能125mm^2で計測することができる.計測項目は各セルにおける荷重とセンサ面全体における荷重総量,荷重中心(X,Y)である.構築システムにより圧力分布測定器を較正し計測を行った結果,±15%程度の誤差で計測を行うことができた.また,圧力分布センサのデータを逐次保存するプログラムで,最大5Hz程度の時間分解能であり,今後より高速で取り込みを行えるように改善をする必要がある. 当初予定していた二次元平面内における動画像の撮影と同期したセンサ出力等の取得を行うことができた,Kinectセンサを用いた三次元の身体座標の取得は,床に映った影を身体の一部として認識する問題や身体に隠れた部分の処理など,今後開発を継続する必要がある.
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