Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
我が国では四半世紀にわたってインフレ率がゼロ近傍で推移する現象(「長期デフレ」)が続いている。本研究では、①長期デフレの「原因」を探ると同時に、②長期デフレがどのような「帰結」を生んだのか、そして、③長期デフレは「経済厚生」の観点から日本経済にどのような影響を及ぼしたのか、の3点について、理論と実証の手法を用いて検討する。長期デフレは他国で例のない現象であり、未解明の点が多い。特にその「帰結」と「経済厚生」の検討は手つかずで、学術的に重要な課題である。この検討により、マクロ経済学の中核的な話題である「インフレダイナミクス」に関する学術的な知見の蓄積に貢献する。