Project/Area Number |
23H00054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 7:Economics, business administration, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 誠 京都大学, 経済研究所, 教授 (40899811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陣内 了 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50765617)
松岡 多利思 東京都立大学, 経営学研究科, 教授 (70632850)
深井 大幹 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (40835112)
岩崎 康平 大阪大学, 社会経済研究所, 講師 (10936876)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥46,930,000 (Direct Cost: ¥36,100,000、Indirect Cost: ¥10,830,000)
Fiscal Year 2024: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2023: ¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
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Keywords | マクロプルーデンス政策 / DX化 / 信用仲介取引 / バブル / 中央銀行デジタル通貨 / 中央銀行デジタル貨幣 |
Outline of Research at the Start |
金融のデジタル化が進む中、伝統的貨幣や旧来の信用・仲介取引を前提として対応可能なのか、回答を導く研究が待たれる。本研究では、貨幣とは何か、信用とは何か、仲介とは何かという本質論に立ち返り、デジタル・トランスフォーメーションによって生じる①信用・仲介取引の革新、②バブルの発生・消滅、③中央銀行電子貨幣の導入、がもたらす影響を分析するための理論的基盤を構築する。それらを用いて、金融デジタル化時代に必要なマクロプルーデンス政策(金融システム全体に潜むリスクを評価して金融市場の安定化を図る政策)を考案する。デジタル化による経済合理性の果実を享受しつつ、安定的な金融システム設計に資する指針とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度に実施した研究の成果について、プロジェクトごとにその具体的内容、意義、重要性をまとめる。「信用取引」プロジェクトでは、基本となる新たなモデルの土台を構築した。具体的には、物的資産などを担保とした信用取引と過去の信用取引の履歴に関するデータに基づいた信用取引とのパフォーマンスを比較可能な理論モデルを構築した。そこで得られた結論では、担保取引は履歴取引と比して高い経済厚生をもたらすが、取引成立の誘因は低い。これら結果を論文としてまとめた。またこれとは別に、過去に行った担保取引の経済変動に関する含意をまとめた論文をAwaya, Fukai, and Watanabe (2024) Journal of Money, Credit and Bankingに公刊した。 「仲介取引」プロジェクトでは、サプライチェーン・ファイナンス(SCF)が内生的に生じるメカニズムを解明する新たなモデルを構築した。政策分析の結果によると、外部の市場での資金調達コストが上がっても、SFCの発生によって経済厚生が改善することがありうる。こうした結果をワーキングペーパーとしてまとめ、ワークショップやカンファレンスで発表した。またこれとは別に、過去に行った仲介モードに関する研究をGautier, Hu and Watanabe (2023) RAND Journal of Economics、プラットフォームにおけるサーチ市場のデザインに関する研究をTeh, Wang and Watanabe (2024) Journal of Economic Theoryに公刊した。 「バブル」および「中央銀行デジタル貨幣」プロジェクトにおいても同様に、新たなモデルを構築して分析した結果をワーキングペーパーとしてまとめ、ワークショップやカンファレンスで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を有効的に進捗させるため、春と秋にそれぞれ「Kyoto Workshop on Digitalization and Macroprudence Policy」を開催し、欧米を中心とする海外の最前線で活躍する当該分野の専門家を招待して研究報告を行った。そこでは、それぞれのプロジェクトのリーダーが進捗状況に応じて途中経過を報告し、貴重なフィードバックを得た。それらを基にそれぞれのプロジェクトが改善・精緻化を行ってきた。また春にはオンラインで、夏には対面方式で「Asia-Pacific Search and Matching Workshop」を開催し、近隣地域で活躍する若手研究者との交流を通じて刺激を得た。さらに、夏にはスイスで開催された「Summer WOrkshop on Money, Banking, Payments and Finance」では世界中から分野の専門家が集まり、本研究課題からもいくつかのプロジェクトのこれまでの成果を報告した。これに加え、いくつかのプロジェクトの研究成果はすでに国際ジャーナルへの投稿を開始している。これら総合的に判断して、本研究課題はこれまでのところおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策は、基本的にこれまでの路線を継続していく。具体的なプランをプロジェクトごとにまとめると以下の通りになる。「信用取引」プロジェクトでは、前年度までに新たなモデルを構築して、論文としてまとめた。そこで本年度はワークショップやカンファレンスで発表して、専門家や関連する研究者からフィードバックを得る予定である。そしてそれらをもとに、実証的エビデンスや政策に対してもつモデルのインプリケーションを探り、モデルの精緻化を図る。年度の終わりまでには、それら進展をワーキングペーパーとしてまとめ、学術雑誌への投稿に備える。 「仲介取引」プロジェクトでは、前年度までに新たなモデルを構築して分析した結果をワーキングペーパーとしてまとめ、ワークショップやカンファレンスで貴重なフィードバックを得た。本年度はそれらをもとに、モデルを修正し論文を改定していく予定である。特に、モデル化したサプライチェーンファイナンス(SCF)のエッセンスが仲介機能としてどの程度一般性を持つかについて、既に知られた仲介の役割と関連して吟味していく。年度の終わりまでには、それらの進展をまとめ、学術雑誌への投稿を終える。 「バブル」プロジェクトにおいて、「繰り返しバブルモデル」および「合理的バブルモデル」ともに、前年度までに新たなモデルを構築して分析した結果をワーキングペーパーとしてまとめ、ワークショップやカンファレンスで貴重なフィードバックを得た。本年度はそれらをもとに、モデルを修正し論文を改定していく予定である。年度の終わりまでには、それらの進展をまとめ、学術雑誌への投稿を終える。 「CBDC」プロジェクトにおいては、前年度までに新たなモデル枠組みが完成したので、今年度はそれを論文に仕上げていく作業を行う予定である。また、ワークショップやカンファレンスでの発表もいくつか予定している。
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