Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
強相関電子系などの光励起後に現れる準安定状態では、格子変形と電子状態変化、さらには磁性が複雑に関係しており、光励起から緩和に至る時間に対して、格子変形・電子状態変化・磁気構造変化のすべてを「同時」に計測し、これらの時間構造に現れるわずかな違いを明確にすることが、物性の起源を理解し応用する上で必要である。そこで本研究では、格子変形・電子状態変化・磁気構造変化を、元素選択的に「同時」に計測する新しい手法である、「時間・スピン分解共鳴電子散乱法」を確立する。この方法論を用いて、 格子・電子・磁性が密接に絡んだ強相関系などの物質の、光励起後に発生する準安定状態の物理に迫る。