Project/Area Number |
23H00106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 好郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (90434323)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥45,760,000 (Direct Cost: ¥35,200,000、Indirect Cost: ¥10,560,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
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Keywords | 重力 / 等価原理 / 量子力学 / 中性子 / イメージング / イメージングセンサー / 機械学習 / FPGA / 時空表現 / 重力の量子性 / 量子束縛状態 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
1000A 程度の波長領域の中性子を超冷中性子と言う。地球重力場の下で量子束縛状態を作り、その存在確立分布は、数ミクロンオーダーの特徴的な変調構造を示す。本研究課題は、この量子束縛状態が重力と結合することから、重力検証のための新しい試験プローブとして活用できることに着目したものである。束縛分布の変調構造と干渉項の振動現象とを計測することで、微視的スケールにおける等価原理の検証を行うことを目標とする。研究の発展として、重ね合わせ状態に結び付いた基準座標系の間での「量子論的な座標変換」を主要な物理対象として議論を展開し、量子論の枠組みにおいて等価原理がどのように表現されうるのか検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
1000オングストローム程度の波長領域の中性子を超冷中性子と言う。地球重力ポテンシャルの下で量子束縛状態を作り、その存在確率分布は数ミクロンオーダーの特徴的な変調構造を示す。本研究課題では、この量子束縛状態が重力と結合することから重力検証のための新しい試験プローブとして利用できることに着目し、束縛分布の変調構造と干渉項の振動現象を計測することで、微視的スケールにおける慣性質量と重力質量の等価性 -等価原理- の検証を行うことを目標とする。また、中性子用高精度イメージングセンサーや信号分析エンジン、量子系の制御技術などの要素技術開発を行う。
本年度において、イメージングセンサーの読出し基板を開発し、ノイズレベルや読出し速度など基本的性能の試験をした。基板の反りについて幾つかの製造技術を試験し、期待される性能を得るところまで進めた。新しいサンドイッチ型のセンサーを試作し、超冷中性子に対して十分な検出効率を持つことを確認した。詳細については、国際会議/査読プロシーディングスなどで報告した。計算機環境の整備を進め、計算能力とデータストレージ環境のサイズおよび信頼性の増強をおこなった。束縛状態の計算を進め、状態を用意し操作する中性子ガイドの設計/制作を進めた。また、データをスクリーニングする際の基準の試験を行った。イメージングセンサーの読出し基板開発を基にして、ガイドの固定方法やセンサー治具、信号線の取り回しを検討し、真空槽の詳細デザインを決定した。一部のコンポーネントについて制作を進め性能試験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イメージングセンサーの読出し基板の開発、ガイドの制作など予定としていたところのおおむねを進めることができたと言える。一方で、昨今の真空装部材の高騰と納期の長期化の影響を受け、一部の真空装置の製造で次年度での開発となった項目もあった。
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Strategy for Future Research Activity |
真空装など比較的大型の開発を優先的に進め、納期長期化の影響を減らせるよう推進方策を検討し調整する。一方で、解析エンジンなど社会情勢などに予定の影響を受けにくいソフトウエアの開発項目は一段優先順位を抑えて進めていく。
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