Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
1000A 程度の波長領域の中性子を超冷中性子と言う。地球重力場の下で量子束縛状態を作り、その存在確立分布は、数ミクロンオーダーの特徴的な変調構造を示す。本研究課題は、この量子束縛状態が重力と結合することから、重力検証のための新しい試験プローブとして活用できることに着目したものである。束縛分布の変調構造と干渉項の振動現象とを計測することで、微視的スケールにおける等価原理の検証を行うことを目標とする。研究の発展として、重ね合わせ状態に結び付いた基準座標系の間での「量子論的な座標変換」を主要な物理対象として議論を展開し、量子論の枠組みにおいて等価原理がどのように表現されうるのか検討する。