Searching for new scalar particles with gravitational waves.
Project/Area Number |
23H00110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 貴浩 京都大学, 理学研究科, 教授 (40281117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 尚志 立教大学, 理学部, 助教 (50456175)
黒柳 幸子 名古屋大学, 理学研究科, 招へい教員 (60456639)
西澤 篤志 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (90569378)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥46,280,000 (Direct Cost: ¥35,600,000、Indirect Cost: ¥10,680,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 宇宙物理 / 重力波 / 新粒子 / 修正重力 / 暗黒物質 / 宇宙物理学 / スカラー場 / 重力理論 / ブラックホール / データ解析 / シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
現代基礎物理学の大問題と言われるインフラトン、暗黒物質やバリオン数の起源の問題などはすべて、標準宇宙論を超えた基礎物理の可能性を示すものである。近年可能となった重力波観測で開かれる未知のスカラー場に代表されるボゾン自由度の探索は非常に魅力的である。本研究は、近い将来に実現可能な重力波観測を用いた新粒子の発見と検証手段の提案を中心課題とし、(A) 重力波による新粒子探索の新たな可能性の発掘、(B) 重力波波形に対する新粒子の及ぼす影響の理論予測、(C) 理論的知見を活用した重力波データ解析の手法の開発、の3段階のステップを経て、理論的知見を活かした重力波による新たな新粒子探索手法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
田中は、重力波のテンソルモード以外の変更モードが観測される可能性について、モデルに依存しない枠組みでの一般論を展開した。これにより、太陽系内での重力精密測定などから得られる制限が強く、スカラー偏極が見つかる可能性があるとすると特異な状況設定が必要であることを明らかにした。また、アクシオン雲の形成と進化について、自己相互作用や連星からの潮汐摂動の効果を取り入れた包括的な研究を進め、重力波観測に結び付く予言を行った。 平松は、ドメインウォールのネットワークシミュレーションに基き、ドメインウォールと宇宙紐の結合系に進化に関する研究と、ドメインウォールネットワークが生み出す宇宙論的複屈折の観測可能性に関する研究を行った。また、非等方インフレーションに関して、インフレーション中のインフラトンの揺らぎに関する場の理論的シミュレーションコードを作成した。 黒柳は背景重力波のデータ解析の基盤を築くため、LVKで新しく開発されたpyGWBをベースに、等方的な背景重力波を仮定した解析を行った。その派生研究として、最新のLVKO3のデータを使い、インフレーション中に増幅されたスカラー摂動が誘起する重力波に制限を与える論文を執筆した。また、背景重力波のスペクトルに振動が現れる初期宇宙モデルを精査し、フィッシャー行列を使った解析で将来の実験で検証できることを示した。さらに、ブラックホールの運動により放出される様々な種類の重力波を調べる研究も行った。 西澤は、スカラー粒子の一種であるアクシオンの重力結合の探査については銀河系の暗黒物質ハローの密度分布を考慮し、重力波伝播から新たな観測的制限を導いた。更に、背景重力波の伝播により新たなパラメータ領域を探索するためにそのデータ解析手法の基礎研究を行った。一方、光干渉計を用いたアクシオンの電磁結合の探索実験も進めており、その観測データを解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究に加えて、本課題が始まってから新たに着手した課題に関しても成果が生み出されてきている。インフレーション中のインフラトンの揺らぎに関する場の理論的シミュレーションコードはまだ調整段階だが、今後、具体的な問題を設定して運用を開始する予定である。pyGWBをベースにしたデータ解析の研究は、さらにこれを応用して背景重力波の偏光や非等方性にデータから制限を与えていく予定である。ブラックホールの運動により放出される様々な種類の重力波を調べる研究などの理論研究を基盤とすることで、次年度以降は、重力波のデータを使い具体的なモデルの制限につなげていくことができる。 初年度はキックオフミーティング、および、one day workshopを開催し、多数の参加者を集めることができた。これらは研究協力者を中心に関心のありそうな研究者に個別に声を掛けて行った研究会で、忌憚ない意見交換をおこなうことで研究の進展に貢献した。また、特定助教の採用もでき、2024年度からは本課題に専任できるスタッフが研究の組織的発展をリードしてくれると期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
(A) 重力波による新粒子探索の新たな可能性の発掘、(B) 重力波波形に対する新粒子の及ぼす影響の理論予測、(C) 理論的知見を活用した重力波データ解析の手法の開発、の3段階の研究を段階的に進めるのが研究実施計画の基本路線である。これらのステップを有機的に結び付け、理論的知見を活かした重力波による新たな新粒子探索手法の確立に導く。 本年度は、上記の(A)や(B)に対応する、様々な理論のサーベイを組織的に進めるとともに、すでに研究をスタートさせているスカラー場のダイナミクスとスカラー場由来の重力波源の性質、放出される可能性のある重力波の波形やスペクトルを明らかにする研究を主として推進する。さらに、(C)に属するが(A)や(B)の進展を待たずに進めることができる、スカラー場由来の背景重力波の非等方性の検出に関する研究の基盤を整備することや、KAGRA等のデータによる新物理探査も並行して行う。 上記の課題を円滑に遂行するため、特定助教1名を雇用し、適切な課題に取り組んでもらう。また、合同の雑誌会と、年2回の直接対面でのミーティングを通じて、新しい課題の発掘と連携を継続的に模索する。直接対面のミーティングに合わせた研究会やスクールの組織、注目される研究者や国外の研究協力者の招聘を行い、密接な意見交換を進めると同時に、特に若手の研究者の新規参入を促す。 なお、本研究には研究協力者として、筧嵩文、北嶋直弥、武田紘樹、内潟那美、度會大貴、村井開、成川達也、山本貴宏、佐合紀親、高橋卓弥、桑原聡一朗、八木絢斗、William E. East、Vitor Cardoso、Santiago Jaraba、Priti Gupta、Nicolas Yunes、Marienza Caldarola、Lorenzo Valbusa Dall’Armi、George Alestasが加わる。
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Report
(2 results)
Research Products
(40 results)
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[Journal Article] First results of axion dark matter search with DANCE2023
Author(s)
Yuka Oshima, Hiroki Fujimoto, Jun'ya Kume, Soichiro Morisaki, Koji Nagano, Tomohiro Fujita, Ippei Obata, Atsushi Nishizawa, Yuta Michimura, Masaki Ando
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Journal Title
Physical Review D
Volume: 108
Issue: 7
Pages: 072005-072005
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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