Project/Area Number |
23H00120
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 15:Particle-, nuclear-, astro-physics, and related fields
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
岡田 信二 中部大学, 理工学部, 教授 (70391901)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Patrick Strasser 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 講師 (20342834)
外山 裕一 中部大学, ミュオン理工学研究センター, 特任助教 (50964631)
山田 真也 立教大学, 理学部, 准教授 (40612073)
橋本 直 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 理研ECL研究チームリーダー (20732952)
齋藤 岳志 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 基礎科学特別研究員 (00962325)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥47,450,000 (Direct Cost: ¥36,500,000、Indirect Cost: ¥10,950,000)
Fiscal Year 2024: ¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
|
Keywords | 超伝導検出器 / エキゾチック原子・分子 / 精密X線分光 / 少数多体系 / ミュオン触媒核融合 / エキゾチック原子 / ミュオン / 原子分子 / 高分解能X線分光 / 量子ビーム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、優れたエネルギー分解能をもつ超伝導X線検出器を導入した加速器実験により、世界初の高精度エキゾチック分子X線分光を実現し、エキゾチック分子の解離X線という新たなプローブを用いた量子少数多体系研究を開拓する。重水素分子中の電子を負ミュオンに置き換えた共鳴励起分子が発する解離X線(~2 keV)を5 eVという極めて高い分解能で原子X線と分離して同定し、エキゾチック分子を直接観測する。エキゾチック分子の存在形態として予想される“分子中に分子が内在”する階層構造を有する新奇な分子像に迫る。これにより、エキゾチック分子を舞台とした量子少数多体系研究やミュオン触媒核融合研究に新展開をもたらす。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、優れたエネルギー分解能と高い検出効率を併せもつX線検出器「超伝導転移端センサー(TES)型マイクロカロリメータ(以下TES検出器)」を用いて、これまで測定することが難しかったミュオン分子の高精度X線分光を実現し、ミュオン分子共鳴状態からの解離X線という新たなプローブを用いた量子少数多体系研究の開拓を目指す。初年度においては、以下を実現し、世界で初めてミュオン分子の共鳴状態「ddμ*」の解離X線分光に成功した。 1)TES検出器のX線吸収体材料をこれまでのBiからAuに変更することで、本測定において不利となる応答関数における低エネルギー側のテール成分を大幅に低減 2)低密度D2ガス環境下ではVesman機構が有利に働かず解離X線の収量が非常に少なかった予備実験の結果を踏まえ、新たに固体D2標的を用いたセットアップを構築 3)低温の固体D2標的から放出される2 keVのX線を測定するため、低エネルギー用の特殊なX線窓材を真空窓や輻射シールド窓に使用 4)TES検出器は振動や電気的ノイズに非常に敏感なため、固体水素D2標的に接続されたポンプや冷凍機からのノイズを極力低減するための工夫 5)TES検出器のエネルギー較正のため、低エネルギーの特性X線(Al Kα, Cl Kα, K Kα)を十分な強度で照射可能なX線発生装置を構築
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
TES検出器の性能向上に向けた改良として予定していたX線吸収体材料の変更(Bi→Au)が、国際共同研究チームの連携協力の下、当初予定していたスケジュールよりも早く行う事ができ、今回のddμ*実験に適用できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後以下の様な方策で研究を推進する: 1)得られたddμ*実験データの詳細な解析を進める 2)研究協力者の木野・山下(東北大)の協力の下、最新の少数多体系精密計算結果との比較を行い、得られた結果の考察を行う 3)上記の結果をまとめて印刷公表する 4)本実験では固体標的を用いたため、これまでの気体標的との比較において、標的からの荷電粒子が原因と考えられる分解能悪化の影響がみられた。詳細な解析と共に、今後の実験に向けた対策を検討する 5)本結果を元に、次のビームタイム申請を行う
|