Elucidation of semi-solid dynamics by innovative computational method and challenge to material microstructure refinement
Project/Area Number |
23H00160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 18:Mechanics of materials, production engineering, design engineering, and related fields
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
高木 知弘 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (50294260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 尊之 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (00184036)
安田 秀幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (60239762)
坂根 慎治 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (70876755)
浅井 光輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90411230)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,320,000 (Direct Cost: ¥36,400,000、Indirect Cost: ¥10,920,000)
Fiscal Year 2024: ¥14,300,000 (Direct Cost: ¥11,000,000、Indirect Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
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Keywords | フェーズフィールド法 / 高性能計算 / 固液共存ダイナミクス / 固相溶断 / 組織微細化 |
Outline of Research at the Start |
固液共存現象は,金属材料の製造において普遍的な現象である.本研究では,固液共存現象をコンピュータ上で再現可能な革新的計算法を開発し,重要な未解明現象である固相溶断を定量的に解明する.この成果に基づいて固相溶断を多発させる組織微細化条件を探索し,材料開発に供する.本研究は,メゾスケールのマテリアル・デジタルトランスフォーメーションの基盤を創造する.
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,固液共存ダイナミクスモデル構築とその計算の大規模化,および実験観察結果を数値計算に取り組むためのデータ同化システムの開発,液相流動がデンドライト溶断に及ぼす影響解明に取り組んだ. 固液共存ダイナミクスモデルの構築においては,有限要素法と離散要素法の2つの手法から融点直下の固体変形を表現するモデル構築を試みた.有限要素法を用いた手法では,まず固体を一般的な弾塑性体としてモデル化し,これにphase-field (PF)法を連成させたが,溶断時のメッシュの取り扱い,および溶断後の断片化した結晶粒内での応力場の取り扱いが困難であった.そのため,離散要素法をメインに対応することとし,PF法との連成モデルのフレームワークを作成し,基本特性を評価した.さらに,multi-phase-field (MPF)法と格子ボルツマン(LB)法を連成させたMPF-LB固液共存変形モデルを用いて,単純せん断変形を再現し,固相率が固液共存変形現象に及ぼす影響を詳細に評価した. 実験と計算を融合するデータ同化システムに関しては,デンドライト成長問題を対象とし,計算コストを削減するための領域分割法の検討,物性値を高精度かつ高効率に取得するための検討,実際のその場観察結果を導入するためのボクセルデータを観測データとするための検討を試みた. 液相流動がデンドライト溶断に及ぼす影響解明においては,マザーリーフ法を適合細分化格子 (AMR) 法に導入することで高速化し,複数GPU並列実装を行った.自然対流を伴う柱状デンドライト凝固計算を大規模にGPUスパコン上で実施し,液相流動を伴わない問題ではpinch-offと呼ばれるデンドライト2次枝の溶断が生じることを確認した.一方で,自然対流を伴う問題においては,領域サイズの問題もあって溶断現象を再現するには至っておらず,さらなる工夫の必要性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
固液共存ダイナミクスモデルの構築とその計算の大規模化に関しては,融点直下の固体変形挙動と溶断現象の表現において少し苦戦しているが,固液共存変形の大規模計算に関しては,単純せん断挙動の解明,3次元化が完了し,予定より進んでいる.このため,総合的には順調に進展していると判断できる. その場観察実験をPF計算に取り組むためのデータ同化システム開発に関しては,ハイパーパラメータを機械学習を用いて決定する手法開発に着手できていない.一方で,デンドライト凝固問題へのデータ同化の適用において,PF法とデンドライト凝固問題特有の特徴を把握し,データ同化の精度向上と計算効率向上のための有意義な情報を得た.このため,総合的には順調に進展していると判断できる. 液相流動がデンドライト溶断に及ぼす影響解明に関しては,マザーリーフ法をAMRに取り込み複数GPU並列実装を行うことで超大規模計算を可能とした.また,デンドライト2次枝の縮退と根本曲率効果によるpinch-off現象の再現に成功した.加えて,複雑なデンドライト樹間液相流動の透過率を系統的に評価した. 以上の研究3項目に関して,課題はあるものの当初予定より進展している内容もあり,総合的に「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度から引き続き固液共存ダイナミクスモデルの構築とその計算の大規模化,および実験観察結果を数値計算に取り組むための機械学習データ同化の開発を行う.また並行して,デンドライト溶断,固液共存変形,固相粒の割れの3つの現象解明を行う. 固液共存ダイナミクスモデルの構築においては,フェーズフィールド法と,格子ボルツマン法,粒子法を連成させる.さらに,GPUスパコンによる高性能計算を可能とするために複数GPU実装し,大規模計算を可能とする.また,固液共存変形のその場観察実験を数値計算に取り込むためのデータ同化の開発を継続する. デンドライト溶断においては,特に自然対流下でのデンドライト成長の計算条件を探索し,液相流動に起因するデンドライト溶断を再現する高性能計算技術とGPUスパコンを駆使した大規模シミュレーションを実行する.また,計算結果を解析するためのポスト処理システムを開発し,定量的なデンドライト形態変化からデンドライト溶断現象のメカニズム解明に迫る. 固液共存変形においては,単純せん断変形下での系統的なシミュレーションを通して基本特性を解明する.また,粒間摩擦,気液混相流モデル,気相発生,凝固収縮流を導入し,モデルの高精度化を図り大型放射光施設によるその場観察との直接比較を達成する.固相粒の割れにおいては,粒子法を導入した変形解析とフェーズフィールド法との連成を図り,まずは2次元計算における基本的な現象の再現を目指す.その後,格子ボルツマン法と連成し,液相流動と固体変形を同時に再現しする.最終的に3次元化と計算大規模化を達成する.
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)