Project/Area Number |
23H00171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 21:Electrical and electronic engineering and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江澤 雅彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10504805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 吉郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40323472)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥46,540,000 (Direct Cost: ¥35,800,000、Indirect Cost: ¥10,740,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
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Keywords | トポロジカルMEMS / トポロジカル電気機械システム / トポロジカル5G技術 / トポロジカル・エレクトロニクス / トポロジカル電気工学 / トポロジカルMEMS工学 / トポロジカル絶縁体 / トポロジカル物性物理学 / MEMSアニーリング・マシーン / トポロジカル電気回路 / TopoMEMS / MEMS工学 / トポロジカル工学 |
Outline of Research at the Start |
トポロジカル物性物理学の知見とMEMS電気工学の知見を融合する事によりトポロジカルMEMS工学という全く新しい学理を構築する。特にMEMSを用いたアニーリング・マシーンの実機を製作し、動作を検証する。まず、二枚のプレートの静電引力でイジング型の相互作用を導入できる事を試作機を作製し実証する。更にMEMSを一次元状に配列し静電力で相互作用させることでMEMSを用いたイジング模型が実現する事を検証する。更に、周期系に由来する新しいMEMS機能について理論・実験の緊密な議論の元に探索する。これらの知見を基にトポロジカル電気工学、更にトポロジカル工学と言った新規学理を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
① ポロジカル絶縁体の最も基本的な模型であるSu-Schrieffer-Heeger(SSH)模型と呼ばれる一次元状に二量体化した模型をMEMSを用いて実機を製作した。両端のエッジに指数関数的に局在するトポロジカル・エッジ状態をインピーダンス共鳴のピークとして検証した。特にコンデンサーをホッピングパラメータとし、コイルをグランドに取る一般的な配置のSSH模型で実証を行った。更に、コンデンサーに櫛歯型MEMSを用いる事で静電容量を外部から制御し、トポロジカル相転移を実証した。また。相互インダクタンスを用いたSSH模型も作成し、特徴的なトポロジカル・エッジ状態が出現する事を観測した。従来のトポロジカル電気回路より高速な10GHz以上で駆動される実機を作製し、5G技術へのトポロジカル物性物理学の概念を応用するトポロジカル5G技術という概念を提案した。 ② 江澤と三田らによって理論提案されているMEMSを用いたイジング・アニーリング・マシーンの実機を製作し、静電引力による相互作用を実証した。 ③ 江澤によって理論提案されていた非エルミート高次トポロジカル・スキン状態をトポロジカル電気回路を用いて実験し検証した。 ④ 電気回路などでは非線形性の効果が顕著に表れるが、非線形誘起トポロジカル相転移が起きる事を厳密解を用いて理論提案した。特にトポロジカル絶縁体の基本的な模型であるチャーン絶縁体に対して、Kerr非線形性を導入し、非線形性により、チャーン数が変化する事を示した。また、非線形が存在する場合のトポロジカル・エッジ状態を連続理論を用いて解析的に示し、エッジに反局在する状態など線形系には存在しないエッジ状態を発見した。更に、非線形トポロジカル・エッジ状態はデルタ関数から時間発展させるクエンチ法によって生成できる事を数値計算により示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
① 相互インダクタンスを用いたSSH模型の作成に成功し、順調に研究課題が進捗している。2024年度はコイルの位置制御を目指し、MEMSによるトポロジカル相転移の実現を目指す。また、トポロジカル電気回路による非エルミートトポロジカル物理学の実験的検証にも成功し、Bin Liu, Yang Li, Bin Yang, Xiaopeng Shen, Yuting Yang, Zhi Hong Hang, Motohiko Ezawa, "Experimental observation of non-Hermitian higher-order skin interface states in topological electric circuits", Phys. Rev. Research 5, 043034 (2023)、として出版している。 ② MEMSアニーリング・マシーンの実機作製に成功し、静電引力によって相互作用を導入できる事を実証した。 ③ 電気回路に顕著な非線形誘起のトポロジカル相転移を厳密解を用いて明らかにし、Kazuki Sone, Motohiko Ezawa, Yuto Ashida, Nobuyuki Yoshioka, Takahiro Sagawa, "Nonlinearity-induced topological phase transition characterized by the nonlinear Chern number" online publication in Nature Physics 10.1038/s41567-024-02451-x として出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は上記の配位と双対の関係にあるコイルをホッピングパラメータとし、コンデンサーをグランドにするSSH模型でも実機を製作し、インピーダンス共鳴を測定することでトポロジカル相を実証する。特に相互インダクタンスを用いる事で、ワイヤレス・エネルギー伝送への応用を目指す。トポロジカル相ではエッジに局在したモードがあるので、エネルギーを左側から注入した時に、左側にとどまったまま右側へは伝送されない。一方、トリビアル相ではその様なエッジ状態は存在せず、全てのモードがバルクに偏在しているために、左側からエネルぎーを注入すると全てが右側へ伝送される。つまり、トポロジカル相とトリビアル相ではエネルギー伝送に関して顕著な違いがあり、これをトポロジカル・ワイヤレス・エネルギー伝送と言う新規概念を提案し実証する。更に静電容量と相互インダクタンスの値を最小化する事で10GHz以上での駆動を実現し、5G領域への到達を目指し、トポロジカル5G技術の世界で初めての実証を目指す。 また、コイルの位置をMEMSを用いて制御する方法に挑戦し、可変MEMSコイルという新規素子を開発する。これを上記の装置に組み込むことによ り、トポロジカル相とトリビアル相の間のトポロジカル相転移をMEMSによって制御し、エネルギー伝送を制御するトポロジカルMEMS5G技術とい う新規概念を世界で初めて提唱し実機を製作する事で実証する。
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