Creation of novel bioelectrochemical nitrogen conversion technologies to revolutionize the non-sustainable nitrogen cycle
Project/Area Number |
23H00192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岡部 聡 北海道大学, 工学研究院, 教授 (10253816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
押木 守 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90540865)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,060,000 (Direct Cost: ¥36,200,000、Indirect Cost: ¥10,860,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,730,000 (Direct Cost: ¥12,100,000、Indirect Cost: ¥3,630,000)
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Keywords | 下水処理 / 微生物燃料電池 / 低電圧昇圧回路 / 窒素除去プロセス / NH3再生プロセス / MFC / 昇圧・増幅・蓄電電気回路(LVBR) / NO3-還元NH3再生 / 生物電気化学的NH3再生 / 生物触媒 / 生物地球科学的窒素循環 / 生物電気化学的プロセス / バイオ燃料電池(MFC) |
Outline of Research at the Start |
生物地球化学的窒素循環の崩壊は、最もリスクの高い危機的な地球環境課題である。本課題を解決するために本研究では、下水エネルギーを用いて酸化還元電位を人為的に制御することにより、最小のエネルギー消費量・CO2排出量でNH3を合成・再生・除去する新たな生物電気化学技術の創出により、現行の非持続的な「超エネルギー多消費非循環型窒素フロー」を「持続可能な再生利用型窒素循環」へ転換する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究開発項目について検討を行った。 ①低MFC出力電圧の昇圧・増幅・蓄電電気回路(LVBR)の開発。本研究ではバイオ燃料電池(MFC)によりエネルギー密度の極めて低い下水から電気エネルギーを直接回収・利用するため、低MFC出力電圧を昇圧・増幅・蓄電できる電気回路(LVBR)を設計・作製・改良した。はじめにカソード、アノード両電極の改質を行い、その効果を確認した後、改質電極と改良型LVBを搭載したMFC-LVBシステムを構築し、合成下水からの電力回収の向上を試みた。カソード電極は、PVDFがバインダーで活性炭(AC)ベースエアカソードを基にMnO2,Fe3O4を膜に付加した。アノード電極はカーボンブラシにFe3O4,ACを付加して改質した。その結果、カソード改質により触媒活性と酸素透過性が向上し、最大電流密度が約1.5倍増加した。アノード改質により導電率を約1.3倍、MFC出力を1.1倍向上させることに成功した。 ②ヘム酵素を用いてNO2-/NO3-を還元しNH3を再生する技術。溶脱したNO2-/NO3-をNH3へ再生し再利用することができれば、NH3合成量(=合成エネルギー)とそれに伴うCO2排出量の削減、および溶脱窒素による窒素汚染の解消が期待できる。硝酸/亜硝酸から NH4+を生成する反応は還元反応であり、メチルビオロゲン(MV)を電子供与体として用いE. coli K12株およびその菌体破砕液を生物触媒とした電気化学的なNO3-還元-NH4+生成反応が進行することを確認した。さらに、生物触媒の寿命とNO3-との基質親和性について調べた。触媒寿命は E. coliの菌体破砕液を生物触媒として用いることで 少なくとも48時間以上、NH4+生成反応が安定して生じることを確認した。一方、 NO3-の基質親和性は、Km値は 0.03 mMと算出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の研究開発項目は、①バイオ燃料電池(MFC)によりエネルギー密度の極めて低い下水から電気エネルギーを直接回収・利用するため、低MFC出力電圧を昇圧・増幅・蓄電できる電気回路(LVBR)を設計・作製すること、② ①で開発したLVBRにより回収した電力を補助電源として、生物電気化学的N2還元NH3生成(窒素固定)プロセス、ヘム触媒を用いた電気化学的NO2-/NO3-のNH3再生プロセス、および、生物電気化学的部分硝化(PN)-Anammoxによる効率的窒素除去プロセス、の構築を行う、ことである。これらの研究開発項目の①については概ね研究成果の目途が立ったと考える。研究開発項目②に関して本年度は、生物電気化学的NO2-/NO3-還元NH3再生プロセスの開発に着手し、研究実績の概要に示したように、メチルビオロゲン(MV)を電子供与体として用いE. coli K12株およびその菌体破砕液を生物触媒とした電気化学的なNO3-還元-NH4+生成反応が進行することを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き以下の究開発項目について研究を行う。 ①低MFC出力電圧の昇圧・増幅・蓄電電気回路(LVBR)の開発では、動作電圧が低く(0.2V以下)、最大出力電圧を任意に設定可能な自励振動トランジスタ+AC/DC電圧増幅回路+蓄電ユニットから構成される低MFC電圧用昇圧・増幅・蓄電電気回路(LVBM)を設計 ・作製・改良し、その性能を評価する。また、MFCのカソード及びアノード電極の素材等を最適化し、MFCの出力電力を向上させる。 ②ヘム酵素を用いてNO2-/NO3-を還元しNH3を再生する技術の開発では、大腸菌や嫌気性アンモニウム酸化細菌から、NO2-/NO3-をNH3へ還元するヘムタンパク質(酵素)の分離を行い、その触媒特性を評価する。また、研究開発項目①で開発した改良型MFC-LVBRシステムで下水から得られる電気エネルギーを用いて、NO2-/NO3-をNH3へ還元することを試みる。この場合、必要となる印加電圧を求める。廃水処理システムとしての処理性能の確認を行う。 ③研究開発項目①で開発した改良型MFC-LVBRシステムで下水から得られる電気エネルギーを用いて、部分硝化-Anammoxシステムの窒素除去能力の向上および生物電気化学的N2還元NH3合成の可能性について検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)