Project/Area Number |
23H00194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 22:Civil engineering and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 周平 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (00378811)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥46,930,000 (Direct Cost: ¥36,100,000、Indirect Cost: ¥10,830,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2023: ¥25,740,000 (Direct Cost: ¥19,800,000、Indirect Cost: ¥5,940,000)
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Keywords | マイクロプラスチック / ナノプラスチック / ベクター効果 / サイズ排除クロマトグラフ |
Outline of Research at the Start |
マイクロプラスチックの曝露試験では粒径が小さいほど低濃度曝露で生物に影響が生じている。環境中に放置されたプラスチックは劣化、極微小化し、一部は2μm未満となっていることが分かってきた。本研究では、物質循環系におけるナノプラスチックと化学物質の挙動を調査することで、生物濃縮および化学物質の体内移行(ベクター効果)の実態を明らかにすることを主目的とする。特にサイズ排除クロマトグラフや液体クロマトグラフイオンモビリティ飛行時間質量分析計を駆使して、分子量レベルまでの分析方法を開発する。疎水性や親水性の特徴の異なる48種の化学物質を測定し、ナノプラスチックおよび化学物質の生物体内の挙動を考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
従来の熱分解GCMSでは劣化プラスチックの成分を同定するためには定量下限値が高く、環境中のナノプラスチックの定量は困難であった。本研究では、液体窒素を用い、プレカラム(50%diphenylと50%dimethyl polysiloxane)にプラスチック成分を濃縮し、装置分析定量下限を下げることに成功した。現在は、Single shotについてはオートサンプラーと組み合わせることが可能となったが、Double shotでは難しい状態である。特に夾雑物質が存在する実環境試料中のナノプラスチックの分析では、熱脱着が可能となり有効であるが、物質別の温度調整など不明な点が残っている。試料から発生する気体の温度プロファイルを測定することで、最適な設定温度を検討することが次の課題である。 研究成果としては2編の査読付き論文を発表した。10 umから25 mmまでのマイクロプラスチックの分布を示した成果と降雨時における河川中のマイクロプラスチック負荷量の経時変化を示した論文である。流域を絞ることで、排出源を特定するための情報を収集することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱分解GC-MSについては、ナノプラスチックの定量が可能になるなど、当初の予定通り、着実に成果を上げている。また、熱分解GC-MSによる定量方法を開発したことで、魚類の食物連鎖に着目したマイクロプラスチックの生物濃縮実態に関して研究を進め、口頭発表を行っているなど、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
河川、水田生態系における生物濃縮の実態調査を進めるとともに、PFASに関してベクター効果の検証を行うための試験系を確立する。対象はメダカとし、マイクロプラスチック、ナノプラスチックの粒径とPFAS種別の混合試料を作成し、動態を調べる。最初はPFOS、PFOAで実験を行う予定である。また、ナノプラスチックの細胞膜透過試験系の作成にも着手する。実態調査とラボ試験を組み合わせることでベクター効果について議論を進める。
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