Project/Area Number |
23H00203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 23:Architecture, building engineering, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 一平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40363030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 豪 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (10733107)
大窪 貴洋 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50534541)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥46,670,000 (Direct Cost: ¥35,900,000、Indirect Cost: ¥10,770,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,960,000 (Direct Cost: ¥9,200,000、Indirect Cost: ¥2,760,000)
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Keywords | セメント水和物 / C-A-S-H / コロイド的性質 / 強度発現メカニズム / 炭酸化 / Ca/Si比 / アルミノシリカゲル / 炭酸カルシウム / カルサイト / バテライト / アラゴナイト / C-S-H / Ca/Si 比 / 見掛け密度 |
Outline of Research at the Start |
本研究はコンクリートセクターにおけるCO2排出問題の恒常的な解決の一翼を担うカルシウムの投入量あたりももっとも高効率に強度を発現するためのセメント水和物の基礎原理を明らかにする。セメントの製造時には石灰岩由来のカルシウムをつかうが,これはカルシウムがもっとも容易に低密度水和物を生成するからである。そのため,カルシウムの最適利用がコンクリート業界には必要である。この観点から,カルシウム―シリカ―アルミ―水系の水和物の生成原理,特に非晶質になるメカニズムおよび一桁ナノスケールの空隙構造生成原理について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
カルシウム-シリカ-炭酸系の1H NMR実験を行い、炭酸化に伴う構造変化と、材料中に取り込まれた水と外部水との交換現象を2Hを使った実験により検出する方法を確立した。ゲル細孔の大きさは、カルシウムシリケートを調整した相対湿度が高いほど大きくなった。比較的小さなゲル細孔を持つカルシムシリケートは、熱力学的に安定な方解石よりも不安定なバテライトを生成し、その生成量細孔の大きさと関連していた。 C-S-H, C-A-S-Hの合成を行い,組成,空隙構造を把握し,さまざまなCa/Siの水和物を生成する手法を確認し,実際のセメント系で過飽和状態から析出する水和物の状態を再現する手法を検討するとともに,水分状態によって変化するセメント硬化体の微細構造分布のあらたな取得方法について提案するとともに,外部由来のCO2による組成変化について実験的に取得した。 さらに合成したC-S-HについてT1-T2相関を確認するシーケンスをつくり,測定を行った。その結果乾燥によってダイナミックに変化する空隙構造変化をより詳細に理解することができた。この変質はセメントペースト強度発現に大きな影響を及ぼす。 また,今年度,異なるC-A-S-Hを有するセメントペースト試験体を製造し物性評価を行うために,フライアッシュならびに火山ガラス微粉末を有するセメントペーストの製造を行った。若材齢における物性評価については,強度と相組成の分析を済ませたものがあり,今後は性能評価に関する検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C-S-Hの合成方法について適切な手法を確認した。今後は,C-A-S-H方法について検討する必要があるが,蓄積した知見をいかすことができる。 異なるC-S-Hの炭酸化挙動について,なぜ,バテライトができるかについて明らかにした。これは,炭酸化プロセスにおいて重要な知見と考えられる。 T1-T2相関を用いたあらたな分析方法を立案し,有用な実績を得た。こちらも世界に先駆けた研究成果になっている。 その他,昨今のCO2-Mineralizatoinの時流に従って,セメント反応における活性について評価する実験方法の構築いついても適切に進んでいる。今後,異なるC-A-S-Hを含むペーストの物性発現機構を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,1)C-A-S-Hの炭酸化の合成方法プロトコルの構築,2)異なる湿度の自然炭酸化,3)異なる湿度の加速炭酸化,4)C-A-S-Hの分子動力学計算のモデルの構築,5)異なるC-A-S-Hを有するペーストの物性評価と微細構造変化を行っていき実験系を説明できる理論的背景を理解する。一方で,実験によっても,具体的に微細構造を評価できる手法の開発がすすんでいるので,今後は物性発現機構にフォーカスをあてて検討をすすめる。今年度は詳細分析ができなかったが,十分養生期間を得た(材齢1年以上)のフライアッシュセメントペーストと火山ガラス微粉末を用いたペーストの2つがすでに用意されており,強度等の基礎物性は取れているので,今後は微細構造およびC-A-S-Hの組成分析を明らかにしていく。具体的には,強度,ヤング率,乾燥収縮,SEM-EDS-Edxia分析,XRD/Rietveld analysis, 選択溶解分析を基本として,その他,In-situ XRDやIn-situ 1H-NMR-Relaxometryなどをもとに湿度に依存した微細構造変化とそれによる物性変化を明らかにしていく予定である。
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