Project/Area Number |
23H00341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 40:Forestry and forest products science, applied aquatic science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五十嵐 圭日子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80345181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 誠 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30447510)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,840,000 (Direct Cost: ¥36,800,000、Indirect Cost: ¥11,040,000)
Fiscal Year 2024: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
Fiscal Year 2023: ¥23,140,000 (Direct Cost: ¥17,800,000、Indirect Cost: ¥5,340,000)
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Keywords | 木材腐朽菌 / 機械学習 |
Outline of Research at the Start |
脱炭素社会の構築に向けて、木質バイオマスの利用を高効率化する、今後建築が進むと考えられる木造のビル等建物の強度を保つ、さらに森林においてこのような木材腐朽菌が、どのような木材をどの程度分解するのかを知ることが急務となってきている。木材腐朽現象を単に「木が腐る」と受け止めるのではなく「木質バイオマスの化学的変換」や「森林における二酸化炭素貯留」という役割に気づくと、自然界における腐朽現象をより良く知ることが重要な学問領域であることが分かる。本研究は「木材はどのように腐朽されるのか?」を現代の科学レベルで今一度解き明かすことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、単一の物質を使わずに、複数の基質の配合率を変えることで培地のバリエーションを出し、その時の木材腐朽菌の遺伝子発現を調べ、そのような培養系を用いて同じフォーマットでデータ取得をした。ヘミセルロース(キシラン、マンナン、ガラクタンなど)は、木材細胞壁のバリエーションを与えている化合物なので、五十嵐(東大)はその成分比を変えることで成長量、酵素生産(プロテオーム)データを体系的取得した。また、木材腐朽菌による木材の分解は固体が可溶化するプロセスが律速である。つまり、分解様式が異なれば残っている部分(木材であれば腐朽後の木材、固体基質であれば残渣)の化学的性質に違いが出てくるはずであり、そのような残渣に着目することも本研究の特徴と言えることから、吉田(農工大)は微生物学的手法を用いて遺伝子発現解析を行うとともに、分解途中の基質の変化にも焦点を当てた。さらに、本研究では、実際に腐朽実験を行ってデータを取得する(一般的にwetの実験と呼ばれる)だけでなく、計算科学(dry、本研究では主に機械学習)を用いた分類の高精度化にも取り組んだ。五十嵐は、「ランダムフォレスト」という機械学習の1つの手法を用いて、学習データ:テストデータ=7:3で解析を行い、白色腐朽菌と褐色腐朽菌を分類できるアルゴリズムの構築を試みた。機械学習を用いた白色腐朽菌と褐色腐朽菌の分類に関する論文は、Applied and Environmental Microbiology誌に受理された。さらに白色木材腐朽菌が生産するセルラーゼの性質も明らかにし、Journal of Applied Glycoscience誌に2報論文を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
機械学習を用いた分類には90%程度の正確さを期待していたところ、98%という高い精度での推測が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
培養実験に関しては現状データの解析が追いついていないところであり、てこ入れが必要と感じている。その一方で、機械学習を用いた分類に関しては、樹種特異性の推測を目指して行く予定である。
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