Regulation of insulin-like activities using signaling complexes formed by RNA and IRS-1.
Project/Area Number |
23H00358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00197146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伯野 史彦 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (30282700)
宮本 崇史 筑波大学, 医学医療系, 助教 (50740346)
片岡 直行 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (60346062)
豊島 由香 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70516070)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,060,000 (Direct Cost: ¥36,200,000、Indirect Cost: ¥10,860,000)
Fiscal Year 2024: ¥15,470,000 (Direct Cost: ¥11,900,000、Indirect Cost: ¥3,570,000)
Fiscal Year 2023: ¥16,120,000 (Direct Cost: ¥12,400,000、Indirect Cost: ¥3,720,000)
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Keywords | インスリン / インスリン様成長因子(IGF) / RNA / インスリン受容体基質(IRS) / 内分泌 |
Outline of Research at the Start |
動物の正常な生命活動に必須な同化ホルモンであるインスリン(INS)とインスリン様成長因子(IGF) によって惹起されるシグナルは、インスリン受容体基質(IRS)を介したシグナル経路を介して、広範なインスリン様活性の発現を可能としている。本研究では、インスリン受容体基質(IRS)-1をコアとする巨大なシグナル分子複合体(IRSome)の形成メカニズムとその役割の解明を通してIRSomeの本態機能を理解すると共に、その知見に基づいたインスリン様活性の新規制御法の開発を目指す。将来的には、これを利用して種々の疾病の予防や治療、資源動物の高品質化などを実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで我々は、インスリン様成長因子(IGF)やインスリンの生理活性の発現調節機構を検討してきた。一般に、これらのホルモンは標的細胞の細胞膜に存在する受容体に結合すると、受容体に内蔵されているチロシンキナーゼを活性化、これがインスリン受容体基質(IRS)をチロシンリン酸化する、これを引き金として下流シグナル経路が活性化される結果、広範な生理活性が発現すると考えられている。我々は、IGF/インスリンの細胞内シグナル・生理活性の修飾機構を検討する過程で、IGF/インスリン刺激非依存的にIRSが細胞内で1,000 kDaを超える巨大なシグナル分子複合体(IRSome)を形成して、この中にRNAが含まれていることを見出した。まず、IRSomeをRNaseで前処理後、Blue-Native PAGEに供し、抗IRS-1抗体によるimmunoblottingでIRSomeの分子質量を調べたところ、IRS-1を含むIRSomeの分子質量は小さくなったのに対して、IRS-2を含むIRSomeには変化が見られないことを確認した。IRS-1が形成するIRSomeに含まれるRNAを網羅的に解析したところ、mRNA の他、non-coding RNA (ncRNA) やrRNA も含まれていた。IRSには、典型的なRNA結合モチーフは存在せず、PHドメイン、PTBドメイン以降のC末端領域にはドメイン構造が認められない上、RNAと結合する可能性が示されたことから、「天然変性タンパク質」の一つと推定された。そこで、IRSの細胞内局在を調べたところ、IRS-1は顆粒状の局在を示すが、液-液相分離を阻害する1,6-ヘキサンジオール添加によりこの顆粒が消失した。これらの結果から、IRS-1は液-液相分離によって顆粒状局在を示すことが明らかとなった。一方、IRS-2にはこのような性質は確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IRS-1に相互作用しているRNAを網羅的に同定することに成功し、IRS-1はRNAとともに液-液相分離で顆粒状局在を示すことを明らかにできた、さらに、IRS-1とIRS-2が異なる性質を示すことを明確にした結果は、高く評価できる。今後、RNAとIRSの相互作用機構を明らかにする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの計画通り、いろいろな条件下で各種細胞株を培養後、IRS-1を免疫沈降し、結合しているIRS-associated RNA(IRSAR)を次世代シークエンサーで網羅的に同定する。さらに、IRS-1、IRS-2を高発現・発現抑制した際のIRSomeの動態についても検討を加え、その生理的意義を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(27 results)