Project/Area Number |
23H00368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 43:Biology at molecular to cellular levels, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 耕造 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (00345274)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,320,000 (Direct Cost: ¥36,400,000、Indirect Cost: ¥10,920,000)
Fiscal Year 2024: ¥14,300,000 (Direct Cost: ¥11,000,000、Indirect Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2023: ¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
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Keywords | RNA / 生合成因子 / 構造解析 / 生合成 / RNAプロセシング / 機能性RNA / X線結晶構造解析 |
Outline of Research at the Start |
機能性RNAの生体内での発現量の調節は高次生命現象の発現を支配する。本申請課題では、、RNA生合成因子によるmiRNAの量的変動を調節する過程、スプライシングをコントロールするsnRNAの成熟化過程、 ウイルスRNAなどの分解抑制過程に注目し、これらの過程に関わるRNA生合成因子の構造-機能相関解析を行う。RNA生合成因子によるRNA発現制御の作用機序の詳細な分子構造基盤を明らかにし、それらを基盤とした疾病等に対する創薬の分子基盤の提示を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
機能性RNAの生体内での発現量の調節は高次生命現象の発現を支配する。本申請課題では、RNA生合成因子によるmiRNAの量的変動を調節する過程、スプライシングをコントロールするsnRNAの成熟化過程、ウイルスRNAなどの分解抑制過程に注目し、これらの過程に関わるRNA生合成因子の構造-機能相関解析を行った。具体的には、今年度は以下の結果、成果を得た。 1) U6 snRNAの成熟化に関わる酵素TUT1とU6 snRNA複合体のクライオ電子顕微鏡による構造決定を行い、TUT1のマルチドメインによるU6 snRNAの認識の全貌を明らかにした。2) U6のA43をメチル化する酵素(METTL16)のRNA結合ドメインであるKA-1とU6のISL(Internal Stem-Loop)RNAとの複合体のX線結晶構造解析に成功し、申請者が見出した新たなRNA結合ドメインであるKA-1による特異的なRNA認識の分子機構を明らかにした。3) また、METTL16とU6複合体のクライオ電子顕微鏡による構造解析を行い、METTL16によるU6 snRNA全体の認識の様子や、メチル化の反応機構に関する知見を得た。4) TUT4-Lin28-pre-let7三者複合体のクライオ電子顕微鏡による構造解析を行い、TUT4-Lin28によるpre-let7の認識、三者複合体に関する大まかな知見を得た。5) TENT4の触媒ドメインとヌクレオチド複合体のX線結晶構造による構造決定に成功し、ヌクレオチド認識の特異性の分子機構を明らかにした。 また、 上記以外に、tRNAの末端にヌクレオチドを付加し、蛋白質合成を阻害する酵素(MenT3)の基質特異性をX線構造解析、機能解析から明らかにし、またtRNAを切断する酵素(CdiA)とtRNAの複合体のクライオ電子顕微鏡による構造解析を行い、tRNA切断の分子機構を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまでに、U6 snRNAの成熟化に関わるRNA生合成因子とRNAとの複合体の構造解析に成功している。また、U6 snRNAの成熟化に関わる修飾酵素やmiRNAの代謝制御に関わるRNA生合成複合体のクライオ電子顕微鏡による解析から、これらの複合体のおおよその構造モデルを構築することに成功している。さらに、X線結晶構造解析、あるいはクライオ電子顕微鏡解析によってtRNAに作用する複数の酵素の構造解析、tRNAとの複合体の構造解析などに成功している。よって、当初の計画以上に進展していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、高分解能のクライオ電子顕微鏡解析による構造決定を目指し、グリッドの改良やRNAや蛋白質の改変などを行う予定である。また、構造解析と同時に機能解析も行う予定である。
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