Project/Area Number |
23H00402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹内 理 京都大学, 医学研究科, 教授 (10379092)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,580,000 (Direct Cost: ¥36,600,000、Indirect Cost: ¥10,980,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
Fiscal Year 2023: ¥22,100,000 (Direct Cost: ¥17,000,000、Indirect Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | 免疫応答 / mRNA分解 / サイトカイン / コドン / 自然免疫応答 / mRNA制御 / mRNA分解 |
Outline of Research at the Start |
mRNA分解や翻訳などの転写後制御機構は免疫応答の調節に重要な役割を果たしている。本研究は、免疫応答や免疫細胞分化の転写後制御機構を、mRNAの3′ 非翻訳領域(UTR)に加え、5′ UTRやコドン最適性にも焦点をあて、これらを制御するRBPを網羅的に同定し、その制御機構を解明する事を目的とする。本研究による基礎的なmRNAレベルでの免疫制御機構の解明は、近年急速に実用化が進むmRNA医薬を始め、炎症性疾患の新たな治療法開発へと波及することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、免疫応答や免疫細胞分化の転写後制御機構を、mRNA上の免疫暗号の観点から解明することを目標としている。これまで、RNA分解酵素であるRegnase-1が免疫細胞活性化のブレーキとして機能し自己免疫疾患の発症を抑制していることを報告してきた。しかし、Regnase-1には4つのファミリー分子が存在するがそれらの機能は明らかでなかった。そこで、Regnaseファミリー分子の中でもRegnase-1と発現パターンの類似したRegnase-3について検討を加えた。Regnase-3単独の欠損マウスは特に表現型を示さなかったが、Regnase-1,-3を重欠損させることで、リンパ球分化の重篤な障害と骨髄球系細胞の増加が起こる事を見出した。1細胞RNA-seq解析の結果、造血幹前駆細胞(HSPC)において、リンパ球・骨髄球系へのプライミングがRegnase-1,-3により制御されていることが明らかとなった。その分子機構を解析した結果、まず、CLIP解析によりRegnase-1,-3が共通したmRNAステムループ構造を認識する事、HSPCにおいてRegnase-1,-3欠損下に発現亢進するmRNAのうち、Nfkbiz遺伝子がその機能に必須である事を見出した。NfkbizはATAC-Seq解析の結果、HSPCにおいてエピジェネティック制御を通じて分化のプライミングを誘導していることが示唆された。また、Nfkbiz 3'非翻訳領域の解析の結果、Regnase-1,-3による制御に重要なステムループ構造を見出し、その構造を阻害するアンチセンスオリゴ核酸がNfkbiz発現を増加させ骨髄球系細胞分化を亢進させることを見出した。このように、Regnaseファミリー分子の解析を通じ、新たな免疫細胞の機構を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、免疫制御にかかわる3'非翻訳領域結合RNA結合蛋白質であるRegnase-1ファミリーの機能解析から、骨髄球系細胞とリンパ球系細胞の分化を規定する、全く新たな制御機構を解明する事が出来た。本成果は、Blood誌に報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの解析により、Regnase-1ファミリーを通じた免疫制御機構に関し、免疫細胞活性化制御に加え、その分化制御の重要性も明らかとなってきた。感染や老化などによっても免疫細胞分化が変化し、骨髄球系細胞分化の亢進が起こる事から、今後、これらの減少に関するRegnase-1ファミリー分子の機能に関し検討を加えていく。 また、5'非翻訳領域やコドン制御など様々なRNAの特徴が免疫制御に与える影響はほとんど明らかとなっておらず、これらの機構についても解析を進めて行く。
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