Oral-gut microbial and immune axis in gastrointestinal diseases
Project/Area Number |
23H00404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 49:Pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鎌田 信彦 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任教授(常勤) (70407112)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,450,000 (Direct Cost: ¥36,500,000、Indirect Cost: ¥10,950,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 口腔炎症 / 腸内細菌 / 口腔細菌 / 臓器連関 / 免疫細胞遊走 |
Outline of Research at the Start |
近年、口腔の健康状態が消化管疾患を含む様々な全身性疾患へ影響することが明らかになり、病態理解や新規治療法開発における臓器連関が注目されている。本研究では、口腔疾患と下部消化管疾患の病的ネットワークに着目し、口と腸の炎症をつなぐメカニズムの解明を目的とする。特に、口腔由来の炎症性口腔細菌や免疫細胞が下部消化管に移動し異所粘膜で炎症を誘導するメカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、口腔と腸管の『細菌連関』・『免疫連関』機構を明確にするため、口腔細菌の異所粘膜への適応に必要な因子の同定、および腸粘膜に移行する口腔由来免疫細胞の機能解析を目標とした。腸管異所定着を介して大腸炎病態に寄与することが報告されている口腔細菌Klebsiella aerogenes SK431株 (Ka-SK431)を用い、異所粘膜(大腸粘膜)への適応に必要な代謝経路の同定を試みた。マウス由来のKa-SK431株とヒト炎症性腸疾患病態に関与していることが報告されているKlebsiella株に共通して保存されている病原遺伝子であるCUP1線毛、金属イオンのトランスポーター遺伝子Sitオペロン、およびヘム鉄の取り込みに関わるChuオペロンの機能に着目した。鉄イオン取り込みとKa-SK431の異所定着の関係をさらに検証するため、SitおよびChuの変異株を作製し、野生株との競合実験を行った。正常および大腸炎マウスにKa-SK431野生株とSit, Chu変異株を競合的に定着させた結果、予想に反して炎症腸管での適応・増殖にSitおよびChuオペロンは必要なかった。同様の実験で細菌の宿主上皮細胞への接着に関与するCUP1線毛は特に炎症期の腸管での増殖に必要であることが示され、実際に大腸上皮への定着はCUP1変異株で著しく障害された。また、Ka-SK431の大腸上皮接着が宿主の腸バリア機能に与える影響を解析するために、単層化大腸オルガノイドと腸内細菌の二気層共培養システムを確立した。他にも、口-腸免疫連関、特に口腔由来T細胞の役割を詳細に解析するためのシステム構築を行なった。従来使用していたKaedeマウスよりもより蛍光輝度の高いKikGRマウスを導入し、蛍光ラベルした口腔由来免疫細胞の腸管以降をより高精度に追跡可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異所粘膜炎症に関与する口腔細菌の腸管、特に炎症時腸管への定着・適応・増殖に必要な接着分子や代謝機能の同定、機能検証が順調に進んでいる。予想に反して鉄イオン代謝に関わる遺伝子は口腔細菌の腸管異所定着には必要ないという結果であった。しかしながら、トランスポゾンスクリーニングの結果から鉄イオン代謝以外の代謝経路や病原遺伝子も複数同定されており、今後それらの機能検証をすることで口腔細菌の異所粘膜定着メカニズムが解明されることが期待される。口腔細菌の接着が宿主腸管上皮細胞に及ぼす影響および免疫連関メカニズムの解明に関しては、プロジェクト初年度ということもあり、新規実験系や新たな動物モデルの導入を主に行なった。オルガノイドを用いた細菌-上皮共培養システムや口腔-腸管間の細胞移動追跡のためのマウスなどが確立・導入され、予定している計画を遂行するための準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
KikGRマウスモデルやパラビオーシスモデル、口腔由来T細胞の移入・再構築モデルなどを用いて、異所(腸管)粘膜に移行する口腔由来免疫細胞(主にT細胞)の詳細な機能解析を行う。機能解析には単一細胞遺伝子発現解析やTCRレパトア解析を用いる。さらに、腸管移行した口腔由来T細胞の長期記憶細胞への変化の可能性を検討するため、移行した細胞のTissue-resident memory T細胞への変化や、骨髄への再局在変化、それに伴う機能性変化などの解析も行う。口腔細菌の接着が上皮細胞に与える影響については、オルガノイドを用いた共培養システムを使用し、上皮細胞のバリア機能や遺伝子発現変化、エピゲノム変化などを検討する。また、細菌連関として、口腔細菌の異所粘膜への適応メカニズムを解明する。トランスポゾンスクリーニングの結果から同定された代謝関連遺伝子や他の細菌との競合に関わる遺伝子の変異株を作製し、腸管への定着や腸炎病態への影響を検証する。他にも、口腔細菌の炎症腸管への定着に重要な因子として同定されたCUP1線毛に着目し、線毛阻害によって口腔細菌による腸炎誘導が抑制されるかを確認する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)