Project/Area Number |
23H00477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 60:Information science, computer engineering, and related fields
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
滝沢 研二 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60415809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乙黒 雄斗 東京理科大学, 創域理工学部機械航空宇宙工学科, 助教 (10801160)
寺原 拓哉 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (10875305)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,060,000 (Direct Cost: ¥36,200,000、Indirect Cost: ¥10,860,000)
Fiscal Year 2024: ¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
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Keywords | アイソジオメトリック解析 / 接触 / 相転移 / 数値計算手法 / 離散化手法 / マルチスケール法 / 相転移問題 / 初期値鋭敏性 |
Outline of Research at the Start |
接触に起因する相転移現象を深く理解するために、研究代表者が提案している接触問題を取り扱える計算法を相転移問題へ拡張し、さらに、曖昧さの許容と安定解の選択という新しい視点を導入することで、初期値鋭敏性の高い問題に信頼性の高い解をもたらす新たな計算法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
数値計算は、現象を予測する手段の中で、支配方程式に基づくという利点があります。そして、適用範囲の広い支配方程式は、理論や実験が可能な都合の良い条件や形状での要素検証ができるという点で優れています。この利点を活かすためには、計算手法が同様の方法によって幅広く計算できることが望ましいです。この研究では、数値流体計算のための計算法の適用範囲を広げるために、接触部やその近傍の薄い隙間、そして隙間と繋がる広い空間に生じる相互作用に注目しています。こうした箇所は、相転移のような複雑現象が生じやすい箇所でもあります。相転移とは、氷の融解や水の沸騰、血液の凝固による血栓化など日常的に遭遇する重要な現象であり、初期値鋭敏性の高い問題の一つです。この研究では、接触に起因する相転移現象を深く理解することを目的としています。 本研究では、接触によって生じる空間のトポロジー変化を4次元格子を用いて捉える手法を利用しています。一見すると、接触というトポロジー変化は、空間微分や時間微分を正確に捉えることができないと考えられますが接触していないものからしているものという時空間という「空間」において微分を定義することでこれは実現できます。本研究は、この手法をより高精度にするだけではなく、区分領域間の滑らかさを指定のものになるような工夫を行っています。現在までに、矩形のパラメータ空間で記述する方法での非構造格子の取り扱い方法と放射状に広がるようなシンプレックス形状での表記が妥当なものについての取り扱いについて、数値計算において取り扱いやすい状態を保ったまま実現する方法を提案しています。このように高階の微分の連続性を持たせることで、高階の微分を含むことの多い複雑流体・相転移問題での計算法と接触問題の両立を図ります。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に離散化手法の研究を進めた。離散化手法の研究項目として矩形領域の取り扱いと、区分領域を構造的に配置できない場合の取り扱いの2つがある。本年度は、この2つについてそれぞれ進捗があった。 矩形領域においては、以前から進めているT-splineに対してBezier extractionと呼ばれる既存の関数の線形変換によって矩形領域無いの基底関数を表現する手法を構築することができた。これにより、従来不必要に解像度の高かった領域の解像度を下げることができるようになり効率的な計算が実現できる。 構造的に配置できない場合の取り扱いでは、Bezier Simplexと呼ばれる三角形や四面体形状のパラメーター空間を用いる方法の応用を検討した。これらは、矩形領域による表現のサブセットとして同様に線形変換によって表現が可能である。この性質を利用し、Bezier Simplexを用いて作られた滑らかな関数と矩形領域の関数を滑らかに接続するというテストを実現した。現在、2次元のパラメータ空間のものでのテストに留まっているが応用すれば3次元空間に対しても利用が望める。また、Bezier Simplexによる滑らかな関数空間の構築を手動で行なっているがこれが自動化されれば、複雑な形状に対して滑らかな関数の構築がより簡便になると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては、初年度に開発した、矩形領域と区分領域の効率的な扱いを組み合わせるための技術構築(データ構造)を実施し、実用的なアルゴリズムの開発を目指す。また、相転移問題の取り扱いとして、Nayigizenteらが提案したdiffuse interface法の一つであるthickening interface method (TIM) に基づいた定式化を行う。TIMは物理的な相転移の状態における性質を保持し、界面厚さを独立させるという特徴を有する。この取り扱いは、本研究での曖昧さの許容と相性の良い定式化である。一方、本研究で用いるトポロジー変化を許容する方法は、格子密度が自動的に変化してしまうという特徴がある。TIM適用時に界面厚さを定数として維持するか、格子解像度に依存して動的に取り扱う必要があるかを、安定性と理論の一貫性の観点から研究する。
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