Project/Area Number |
23H00541
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 勇磨 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (60451431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真栄城 正寿 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (40744248)
武田 充人 北海道大学, 医学研究院, 講師 (00374413)
佐々木 大輔 北海道大学, 大学病院, 医員 (30933741)
日比野 光恵 北海道大学, 工学研究院, 助教 (50971404)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥47,450,000 (Direct Cost: ¥36,500,000、Indirect Cost: ¥10,950,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,650,000 (Direct Cost: ¥10,500,000、Indirect Cost: ¥3,150,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
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Keywords | 薬物送達システム / ミトコンドリア / ゲノム編集 / 遺伝子治療 / ナノカプセル |
Outline of Research at the Start |
ミトコンドリアは細胞核とは異なる独自の遺伝子(ゲノム)を保有しており、ミトコンドリアのゲノム変異(遺伝子に傷がつく)と様々な疾患との関連が報告されている。本研究では、ミトコンドリア標的型ナノカプセル (MITO-Porter)を利用して、疾患細胞のミトコンドリアへゲノム編集装置(遺伝子を書き換えることができる装置)を運搬し、ミトコンドリアの機能を遺伝子レベルで治療することを目指す。本研究で構築するナノカプセルは、ミトコンドリアを標的とする遺伝子治療を実現するだけではなく、多彩な機能を有したミトコンドリアを標的としたライフサイエンスの発展に大きく貢献する事が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアのゲノム変異と種々の疾患との関連が報告されており、本オルガネラを標的とした遺伝子治療が期待されている。ミトコンドリア病では、1塩基の点変異が原因となり症状を呈する事が報告されており、ミトコンドリアのゲノム編集技術は革新的治療法を創出し得る。本研究では、ミトコンドリア遺伝子治療を実現するゲノム編集技術の創出を目的とする。具体的には、ゲノム編集装置をミトコンドリア標的型ナノカプセル (MITO-Porter)に搭載する。その後、ミトコンドリアへゲノム編集装置を運搬、ミトコンドリア内部でのゲノム編集の検証、遺伝子レベルでのミトコンドリア治療の検証を行う。2023年度は、ゲノム編集装置搭載型ミトコンドリア標的型ナノカプセルの構築するために、『ゲノム編集装置の設計・構築』および『ゲノム編集装置のパッケージング、細胞内動態の最適化』を中心に下記に記載した計画で研究を進めた。
1. ゲノム編集装置の設計・構築:疾患細胞mtDNAを認識するガイドRNAを設計し、Cas9タンパク質との複合体(RNP)を形成させた。 2. ゲノム編集装置のパッケージング: 切断用RNPをミトコンドリア膜融合性脂質膜でパッケージングしたMITO-Porterの調製に成功した。 3. 細胞内動態の最適化: 疾患細胞を対象とし、蛍光標識修飾ナノカプセルを添加し、その取り込み能をフローサイトメトリーを利用して評価し、細胞導入を確認した。さらに、細胞内動態を観察し、ミトコンドリア送達の最適化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『ゲノム編集装置の設計・構築』に成功し、『ゲノム編集装置のパッケージング、細胞内動態の最適化』も行った。ここまでに示した内容は2023年度に計画した全ての研究内容が網羅されており、研究の目的を達成する多くの成果を得ることができた。 以上より、現在までの達成度は『おおむね順調に進展している』と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、ゲノム編集装置搭載型ミトコンドリア標的型ナノカプセルを用いて、『細胞におけるミトコンドリアゲノム編集の検証』を中心に下記に記載した計画で研究を進める予定である。
1. 単離ミトコンドリアでのゲノム編集の検証: 対象の細胞からミトコンドリアを単離し、ゲノム編集装置搭載型MITO-Porterを添加し、ミトコンドリア内部にゲノム編集装置を導入する。その後、ミトコンドリア内部の一塩基変異のゲノム編集効率を定量する。 2. 細胞を用いたゲノム編集の検証: ゲノム編集装置搭載型MITO-Porterを、ミトコンドリア疾患細胞に添加し、ゲノム編集効率を定量する。また、対象細胞は、ミトコンドリア呼吸活性複合体の活性低下が観察されているため、治療効果の指標としてミトコンドリア呼吸活性 (細胞外フラックスアナライザー)を評価する。 3. ナノカプセルの無菌大量調製の検討: ゲノム編集装置を搭載したMITO-Porterを、マイクロ流体デバイスを利用して調製する。本研究では、研究室においても無菌大量製造を実施、長期安定性を評価する。
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