Biomedical engineering multi-scale ventricular diastolic function analysis to elucidate the pathogenesis of diastolic heart failure
Project/Area Number |
23H00556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 90:Biomedical engineering and related fields
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 孝祐 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00351883)
臼居 優 川崎医科大学, 医学部, 助教 (10868615)
花島 章 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80341080)
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥44,460,000 (Direct Cost: ¥34,200,000、Indirect Cost: ¥10,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | 心室拡張 / 心不全 / 心臓進化 / コネクチン / 酸素環境 / 心室拡張能 / 心室拡張機能 / 冠循環 / バネ分子コネクチン |
Outline of Research at the Start |
心臓のなかでも血液ポンプとして最も重要なのは心室である。心室は血液が流入する「拡張」と拍出する「収縮」により全身に血液を送り出している。本研究では「拡張」の仕組みを明らかにするために、目で直接見えるレベルでの心室構造や分子や細胞レベルでの拡張機能調節メカニズムを検討する。心臓は生物進化において様々な試行錯誤を経て最適化されており、哺乳類以外にも両生類や魚類、或いは軟体動物や節足動物も各々優れたシステムを有しているため、広く心室の拡張機能を解明することで拡張が障害された心不全への理解に繋げたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
心室は筋肉の収縮と拡張を繰り返して全身に血液を送るポンプである。筋肉はアクチン・ミオシンの分子運動により収縮するが、拡張は分子レベルで実行できず、細胞・組織・臓器レベルでのマルチスケールな機能である。近年、特段の疾患が無くとも加齢などにより拡張機能が障害される心不全が注目されているが、この病態生理を解明するためには心室拡張機能を規定する様々な要素を統合的に解析する必要がある。例えば、心室壁の厚さや内腔の大きさなどは心室拡張性を規定する重要な要素であるが、遺伝子レベルでの核酸配列情報のみではこれらの制御メカニズムを把握することは出来ず、形態や機能の評価系が必要である。心室の拡張性は心室圧の増加に伴う心室容積の変化として表現されるため、本課題では同一の心室標本を非固定で異なる容積にて構造評価する方法論として放射光施設SPring-8の線位相差CTによる評価法の確立に取り組み、ラット・マウスなどの心室微細構造可視化を可能にした。一方で分子レベルでのターゲットとして心筋細胞の伸展性を規定するバネ分子コネクチン(タイチン)に結合する新規タンパク質ccdc141や、心筋細胞の核に局在するコネクチンの短いスプライシングバリアントであるnovex-3の遺伝子改変マウスを作成して心室の力学的情報感知から心筋細胞内Caハンドリングや核の硬さ調節による細胞分裂制御などのメカニズムを解明した。このような遺伝子・細胞レベルでの制御と心室全体としての形態、そして拡張機能がどのように連関しているのかを解析するために、これらのモデル動物の心室標本についてもX線位相差CTにて撮影を行い、細胞の分裂や力学的負荷への応答を分子・細胞レベルから臓器レベルまで統合した解析に取り組んでいる。また、ヒトを含む哺乳類の心室拡張機能の特徴を把握するために、異なる動物種との比較生理学的検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
X線位相差CTによる撮影・解析の方法について改善を重ね、非固定同一標本を用いて異なる心室容積での撮影・解析が可能になった。これまでにホルマリン固定心臓標本を用いた報告はあるが、生理的力学環境下に撮影し心室拡張機能と関連させた研究は行われておらず独創性・拡張性のある実験系を確立できていると考える。また、心室拡張性に拘わる遺伝子の改変動物を作成し、心筋細胞ないCaハンドリングや核の剛性評価など、独自性の高い機能解析を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
心室の拡張機能に関わる分子をターゲットにした遺伝子改変マウスを用いた機能解析により高血圧などの力学的環境変化に対する応答のメカニズム解明を継続して行う。これまでの研究で、哺乳類の心室拡張性は両生類や爬虫類に比べて制限されていることを分子レベルでも明らかにしており、ヒトの拡張機能障害性心不全の病態生理を理解して治療法開発のための情報を得るために、動物界で採用されている多様な心室拡張のメカニズムと比較を行う。そのために、遺伝子改変動物や様々な動物種の非固定心室標本を用いたX線位相差CTによる構造評価を行う。また、心臓に血液を供給する冠動脈の血流は拡張期優位に流れ、心室の過度な拡張は冠循環を阻害するため、血液循環と心室拡張性には密接な関係がある。このような生理的な現象を観察するための計測系としてポルフィリン燐光を用いた生体微小循環酸素濃度計測系を確立する。胎児期における低酸素環境が心筋細胞の分裂能維持に不可欠であり、発生・発達における心室構造と拡張機能の関連解明にも資する研究を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)