Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
水素の同位体である重水素は化学交換法や蒸留を用いた分離濃縮によって生産されているが、新しい水素同位体分離法が望まれている。最近、化学親和性量子ふるい(CAQS)と呼ばれる同位体分離法が提案され、注目されているが、CAQSの対象化合物がわずかであることが研究におけるボトルネックであった。我々らは最近、固相の二水素錯体がCAQSとして優れた分離能を示すことを見出したが、この分離能を決定する要因は明らかになっていない。本研究課題では、錯体合成・理論計算・オペランド計測を三本柱とし、これらを相補的に利用することで分離能を決定する要因を明らかにし、さらに高い分離能を持つ物質を開発する。