Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
緑膿菌は複数の好気呼吸鎖末端酸化酵素を生育環境に応じて使い分けている。このうち、ミトコンドリアの複合体IVと近縁のcaa3型シトクロムc酸化酵素はエネルギー生産効率が高く、飢餓条件で特異的に発現するが、高発現すると活性酸素(ROS)が発生して生育阻害や細胞死が起こることで増殖が極度に低下する。本研究では、caa3が飢餓等のストレス環境下での緑膿菌の生残に寄与すると当時に、細胞死誘導や増殖阻害により細胞数を制御する役割があると予想し、caa3によるROS発生と増殖抑制のメカニズムを実験的に明らかにするとともに、細菌のミトコンドリア型酵素と真核生物における細胞死誘導の進化的な関連性を検証する。