Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
野生植物は、予測困難な環境変化に対応して集団を存続させるための戦略を持っており、種子繁殖する植物にみられる種子休眠性はこのような戦略の1つです。野生コムギにはとてもユニークな休眠機構があり、同一個体に休眠性の異なる二型の種子をつけ、秋の降雨に呼応した迅速・的確な発芽と発芽後の予測困難な環境変化による絶滅リスクの回避を両立していると考えられますが、その制御機構は不明です。本研究では、コムギの祖先野生種である野生エンマーコムギについてこの野生型に特異的な休眠性の遺伝的制御機構を解明し、貴重な生物資源である野生コムギの保全に役立つ情報を提供します。