Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
海洋性シアノバクテリアAcaryochlorisの仲間は、酸素発生反応の場となる光化学系II(系II)の主要色素が例外的にクロロフィル (Chl)dであり、可視光ではなく遠赤色光で駆動される。本研究では、A. marina系IIの構造を原子レベルで明らかにして、エネルギーの低い遠赤色光で系IIの光化学反応が可能となる仕組みを明らかにする。また、分光学的特性が異なる他のAcaryochloris属6株につ いて、それぞれの生存戦略と合わせ、タンパク質構造の相異を比較検討する。これらを通して天然光合成の動作原理をより深く理解し、効率的な人工光合成設計にも資する。