Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
光合成を行う葉緑体には、細胞核とは異なる独自のゲノムDNA(葉緑体DNA)が存在する。葉緑体DNAは裸で浮遊するのではなく、多彩なタンパク質と相互作用することで葉緑体核様体構造を形成する。葉緑体が分裂増殖する際に、葉緑体核様体を娘葉緑体に確実に分配することは、植物細胞が葉緑体を連綿と維持するうえで極めて重要である。これまでの研究で、葉緑体が分裂する直前に核様体は葉緑体中に細かく拡散することで、葉緑体核様体は娘葉緑体に分配されることが示されている。本研究は、葉緑体核様体形態と分配に異常を示す緑藻クラミドモナスの新奇変異体の解析を通して、細胞核が葉緑体核様体の形態と分配を制御する分子機構に迫る。