Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
人類進化の過程で、大型食肉目は二つの意味で重要な役割を果たしたと考えられる。一つはホミニンの潜在的「捕食者」として、二つ目は肉を巡る「競合者」として、である。こうした生態学的関係を推定するためには、現生種からの情報が欠かせない。本研究では、チンパンジーとヒョウが同所的に生息する調査地で、この二種を対象とした調査をおこなう。ヒョウがチンパンジーの「競合者」になっている可能性については、これまでほとんど検討されていない。両種共通の獲物となる樹上性霊長類や、獲物種が重なる大型猛禽の情報も加味しつつ、ヒト科動物と大型肉食目との関係について実証的な情報を提供する。