児童に適切なエビデンス選択能力を育成するための教員研修プログラムの開発
Project/Area Number |
23H05048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
俣野 源晃 神戸大学, 附属学校部, 附属小学校・教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥450,000 (Direct Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥450,000 (Direct Cost: ¥450,000)
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Keywords | 複数のエビデンス / アーギュメント / 教師教育 |
Outline of Research at the Start |
小学校教員に対して,理科全般の内容に関する指導力と,適切なエビデンス選択能力の育成に関する指導力を身に付けさせるための教員研修プログラムを開発し,そのプログラムの効果を検証する.教員研修プログラムの前半は,教師のエビデンス選択能力を育成するトレーニングを行う.プログラムの後半は,筆者が2022年度に開発した「科学に対する信頼性を低下させる情報を排除し適切な証拠のみを全て選び出す授業プログラム」を小学校理科授業に導入した場合,どのような授業になるのかを議論させ,実際に児童に対して授業を実施できるようにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
児童に適切なエビデンス選択能力を育成できる指導力をもった教師を育成するための教員研修プログラムを開発,実施した。小学校教師の多くは理科全般の内容の指導に対して,もともと苦手意識をもっているため(科学技術振興機構,2012),理科全般の内容に関する指導力と,児童に適切なエビデンス選択能力を育成できる指導力を合わせて高める教員研修プログラムの開発を行った。 具体的には,理科の教材研究に着目し,実験結果がばらつきやすい実験と正確な実験結果が出る実験を実際に行わせたり,主張に関連がない実験結果を提示したりし,実験結果が絶対的な答えではなく,解釈が必要なものであることを理解できるようにした。それらの理解をもとに,複数の観察・実験結果等を吟味し,科学に対する信頼性を低下させる情報を排除し,適切な証拠のみを提示して主張することを目指す理科授業に取り組ませた。本教員研修プログラムの成果について「単元観」「児童観」の視点で整理し,日本理科教育学会の実践報告として公表した。「単元観」「児童観」の視点で整理することで,教育現場でつくられている学習指導案の形に,本教員研修プログラムを落とし込むことができた。 さらに,本教員研修プログラムを経験した教師は,理科を教える自信について向上が見られた。そのため,本教員研修プログラムは,理科を教えることに苦手意識をもつ教師に対する手立てとしても効果的であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)