教職志望大学生の社会科学力観変容に関する実証的考察
Project/Area Number |
23H05094
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
森 保 大阪教育大学, 附属学校園, 副校長
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2023: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | 教職志望学生 / 社会科教育観 / 真正の学び |
Outline of Research at the Start |
本研究では,「社会科の真正な学習を成立させる背景を学ぶことが社会科の学力観(授業観)の変容につながる」という仮説の元,毎時間の講義において「パフォーマンス課題」または「本質的な問い」を設定するとともに,「理解の6側面(説明,解釈,応用,全体像,共感,自己認識)(ウィギンズ&マクタイ,2012)に関するルーブリック」を自己評価の指標として,振り返りカードの記述に活用させる。なお記述内容の分析的枠組みとして,上記ルーブリックに加えて,大阪教育大学附属天王寺小学校社会科部提案(2014)の「社会科における3つのディスコースの相関図」を用いる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「教職志望大学生の社会科学力観変容に関する実証的考察-真正な学習についての理解深化を通して-」である。 社会科は,ベネッセ教育総合研究所「第5回学習基本調査」で示されているように,児童にもっとも人気がない教科である。その原因は様々推論できるが,本研究では,教師の社会科学力観(授業観)にあると考える。例えば,森分(1984)は,多くの教師が社会科教育学の臨床的な授業を経験してこなかったこと,その結果,自分が受けてきた網羅主義的,教養主義的な社会科授業を反復することになっていることを指摘している。つまり,教師の社会科の学力観(授業像)は,その教師本人の社会科の学習経験と表裏の関係にあり,そのことが社会科の真正の学習の理解を妨げていることが予想できるのである。
本研究の分析対象は、社会科教育法の講義における学生の振り返りカードであり、計量テキスト分析・テキストマイニングの手法を用いて、単語の出現頻度と共起ネットワークを分析した。その結果、学生の関心は、子どもの学習活動、教師の指導行為、学習内容の深まりへと移行・広がりを見せた。 特に、進歩的教育観の特色である子どもの学習活動への関心の高まりと、伝統的教育観と進歩的教育観の統合に関わる教師の指導行為や学習内容への関心の具体化が示唆された。 以上より、真正の学びの視点に基づく授業分析を通して、教職志望学生の社会科教育観の変容が促されることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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