生徒自ら問いを見いだし,主体的な探究を可能とする中学校版「DPT」の開発と普及
Project/Area Number |
23H05099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1180:Education on school subjects, primary/secondary education-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 純一 広島大学, 附属高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
Fiscal Year 2023: ¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
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Keywords | 中学校理科 / 主体的に学習に取り組む態度 / 探究的な学習活動 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では,中学校理科の授業において,生徒が自ら問いを見いだし,主体的に探究することを可能にする学習教材として,従来のパフォーマンス課題をワークブック化した独自の教材「パフォーマンステキスト」を新たに開発する。また,生徒が1人1台情報端末機器(GIGAパソコン)を利活用しながら探究的な学習活動に取り組めるよう,パフォーマンステキストをデジタル化し,中学校理科の通常授業に導入する。中学校3年生120名を対象とした授業実践により,教材としての有効性を検証し,全国の中学校理科教員への普及を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
生徒が自ら問いを見いだし,主体的に探究することを可能にする学習教材として,新たに中学校理科版「パフォーマンステキスト」を開発した。また,生徒がGIGAパソコンを利活用しながら探究的な学習活動に取り組めるよう,パフォーマンステキストを「DPT(Digital Performance Text)」としてデジタル化し,通常授業に導入した。 「DPT」では,まず冒頭に,①科学的知識とその背景にある科学史について学ぶページを設定した。次に,②パフォーマンス課題に取り組むページを設定した。生徒が観察・実験の方法や結果,分析・考察・推論等を図や写真を取り入れて作成し,電子レポートとしてオンライン上で提出・共有できるようにした。最後に,テキストの巻末に③自己質問(問い)作成のページ,④探究の振り返りのページをそれぞれ設定した。 中学校3年生の「生物の種類の多様性と進化」の内容で行った実践では,始めに,ダーウィンの著書「種の起源」の一節を扱い,パフォーマンス課題として,「魚類の眼のつくりはどのような構造になっているのか」,「魚類の眼ではどのようにして眼底に像を結ぶのか」,「魚類の眼を再現したモデルをつくろう」の3題を設定し,それぞれ観察,実験によって課題解決を行う活動に取り組ませた。その結果,自己質問においては,「魚とヒトで水晶体の形状や遠近調節のしくみが異なるのは空気と水の屈折率の違いが関係しているのではないか」など,多くの生徒が新たな問いを見いだすことができていた。また,探究の振り返りにおいては,「(パフォーマンス課題の取り組みを経て)眼のつくりが自然淘汰の作用によって形成されていることが納得できた」など,多くの生徒が眼のつくりと進化の関係について深く理解できていた。以上のことから,「DPT」が生徒の主体的な探究を促す教材として一定の効果があることを確認できた。
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Report
(1 results)
Research Products
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