Project/Area Number |
23H05164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1210:Science education-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松原 俊二 奈良女子大学, 附属中等教育学校, 国立中等教育学校教諭
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
Fiscal Year 2023: ¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
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Keywords | オオスカシバ / 実験動物 / 人工飼料 |
Outline of Research at the Start |
生物の授業では、教材として生きた生物(教材生物)を活用することは必要不可欠であると考えるが、特に動物の場合は個体数の確保や飼育に膨大な労力(費用も)が必要となる。そこで、教材として使いやすい動物を、新たに自らの手で確立することを考えた。 クチナシの害虫として知られるオオスカシバは、人工飼料を用いて容易に飼育が可能であり、幼虫の色彩多型や成虫の昼行性など興味深い特徴をもつことなどから、教材として魅力的である。本研究では、このような生物を教材生物として確立させる飼育方法を検討し、それを活用した探究型学習を開発することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物の授業においては、生きた生物を教材として活用することは必要不可欠であり、そのような授業は教育的意義も大変高いように感じる。一方で、生きた生物を授業で活用する際には、個体数の確保や飼育など、事前準備に多くの労力を費やすことから、教員の負担感はとても大きい。そこで本研究では、誰でもいつでも気軽に授業で活用できる実験動物としてオオスカシバの教材生物化を目指し、①人工飼料を用いたオオスカシバの継代飼育法の確立と、②オオスカシバを活用した探究型学習の開発に取り組んだ。 ①過去の研究において、本校の実験室においてオオスカシバ幼虫の人工飼料育と、成虫を長期間成飼育することが可能になった。さらに、成虫の生存期間が延びたことで、交尾・産卵行動も確認できるようになった。交尾・産卵行動の誘発条件についてはまだ不明な点も多く、検討の余地が残っているが、オオスカシバの継代飼育法の確立に向けて大きな進歩があったと言える。今年度は成虫の行動特性について研究を進めるために、野外でのオオスカシバ幼虫と成虫の採集も試みたが、昨今の異常気象の影響からか、十分な個体数を捕獲することができず、思うように研究が進まなかった。今後は野外での発生状況についても継続的に観察・記録を行いたい。 ②今年度は、中学1年生の理科授業で、幼虫と成虫を見せながらオオスカシバの生態を紹介した。昆虫類がもつ一般的な特徴や、オオスカシバがもつ特性などに触れながら、「無脊椎動物」を説明する教材として、活用することができた。一方で、十分な個体数を確保できなかったことから、探究型学習として当初想定していたような利用方法には至らなかった。 今後は、年間通して安定した人工飼料育方法の検討をしながら、解剖や探究活動における実験動物としての利用を目指すとともに、飼育を通して「生命の連続性」を体感できるようなプログラムを構築したい。
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