Project/Area Number |
23H05251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3120:Biology at molecular to cellular levels, biology at cellular to organismal levels, biology at organismal to population levels and anthropology, neuroscience and related fields
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Research Institution | 大分市教育委員会事務局 |
Principal Investigator |
栗田 博之 大分市教育委員会事務局, 大分市教育委員会文化財課政策監
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
Fiscal Year 2023: ¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
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Keywords | 毛換り / 妊娠有無判定方法 / ニホンザル |
Outline of Research at the Start |
野猿公園における雌ニホンザルの妊娠の有無を、出産期の早い時期に、簡単かつ高い精度で予測するための方法を、「毛換り」という体毛の生え換りに着目して確立することが本研究の目的である。 大分市高崎山自然動物園で行った2021年度の調査からは、「出産期の前半に頭部又は前肢に着目して、毛換りの開始が確認できなければ、その個体は妊娠している」とみなしてほぼ問題ないことが示唆された。そこで、本研究は、高崎山での結果に普遍性があるのかを検証するため、宮崎県串間市の幸島で餌付けされているニホンザル群を対象として、追試を行うことで、妊娠有無判定方法を確立しようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
野猿公園で活用できるニホンザル妊娠有無判定方法の確立を究極的な目的として、「毛換り(古い毛が抜け、新しい毛に置き換わる現象)の開始」に着目した方法の有効性を検証するため、大分県大分市の高崎山餌付けニホンザル群で得られた知見の追試を宮崎県串間市の幸島餌付けニホンザル群で行った。高崎山群で得られ、幸島群で追試した知見は、「複数の部位で同時に毛換りが始まる個体もあったが、どの個体も最初に毛換りが起こる部位には『頭部』か『左前肢』か『右前肢』が含まれていた」、である。 幸島主群(2023年5月時点で38個体)で、2018年以前に出生した雌19個体を対象として、2023年6月16日・17日、同年7月18日・19日、同年8月20日の3時期に、高崎山群と同じく、体を頭部、背部、胸腹部、左前肢、右前肢、左後肢、右後肢の7部位に分け、毛換りの進行状況を5段階で評価を行い、高崎山群で得られた上記の知見が幸島群でも認められるか検証した。 その結果、3時期を通じて、どの部位も毛換りの開始が認められなかった個体が4個体であり、それらは19個体の中で最も高齢の2個体(19才と17才)と2023年の出産4個体のうちの2個体であった。一方、1部位以上で開始が認められた個体が15個体で、そのうち最初に開始が認められた部位に、頭部、左前肢、右前肢のいずれかが含まれていた個体は14個体であり、残りの1個体(10才、2023年に出産)は右後肢と左後肢で最初に開始が認められた。 以上から、15個体中14個体(93%)で高崎山群において得られた知見が幸島群においても確認された。一方で、高齢個体では毛換りの開始が遅れるのか、後肢からの毛換り開始が認められた1個体をどう評価すべきかについては、今後の課題である。
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