TNFα阻害薬に対する抗薬物抗体産生患者における抗核抗体の変化とB細胞活性化因子
Project/Area Number |
23H05328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3190:Biomedical structure and function, pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | 社会医療法人神鋼記念会(総合医学研究センター) |
Principal Investigator |
森 あやの 社会医療法人神鋼記念会(総合医学研究センター), 総合医学研究センター, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥480,000 (Direct Cost: ¥480,000)
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Keywords | B細胞活性化因子 (BAFF) / 抗薬物抗体 / 抗核抗体 |
Outline of Research at the Start |
関節リウマチの治療薬であるTNFα阻害薬(TNFi)は、しばしば、使用中に抗薬物抗体が形成され二次無効となること、また、抗核抗体が形成され自己免疫疾患を発症することが問題とされる。申請者はこれまでの研究で、TNFi使用中の抗核抗体形成と抗薬物抗体形成とは相互に関連することを明らかにした。B細胞活性化因子のBAFFは抗核抗体形成への関与が知られており、本研究ではTNFi 使用前後の抗核抗体や血中BAFF濃度を測定し、BAFFの抗薬物抗体産生への関与を明らかにする。この成果は抗薬物抗体産生機構解明とともに、TNFiの効果や副作用発現予測などを通じてその適正使用に貢献できるものと考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
TNFα阻害薬(TNFi)は関節リウマチ(RA)に対して有効性の高い治療薬であるが、使用中に抗薬物抗体が形成され二次無効となること、抗核抗体が形成され全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患を発症することが問題となる。申請者はこれまでの研究で、TNFi使用による抗核抗体形成と抗薬物抗体形成に関連があることを明らかにした。B細胞活性化因子の一つであるBAFFは、SLEでの抗核抗体形成に関与していると報告されているが、TNFiによる抗核抗体形成に関する報告は現時点ではない。本研究では、RA患者におけるTNFi使用による抗核抗体形成および抗薬物抗体産生について、BAFFの関与を明らかにすることを目的とした。神鋼記念病院にてTNFiを開始されたRA患者80例(インフリキシマブ[IFX] 34例、アダリムマブ[ADA] 46例)を対象とし、TNFi使用前後の血中BAFF濃度と抗核抗体を経時的に測定し、抗薬物抗体出現との関連を検討した。検討の結果、IFX群において、抗薬物抗体陽性例、抗核抗体高値例や抗核抗体上昇例でBAFF濃度が高値であった。一方で、ADA群では、抗核抗体高値例でBAFF濃度が高値となったが、抗薬物抗体とBAFF濃度との関連は認めなかった。以前の我々の研究でもADA群と比較してIFX群において抗核抗体産生と抗薬物抗体形成との間に強い関連を認めており、本研究と同様の結果であった。本研究により、RA患者において、TNFi治療に伴う抗核抗体形成や抗薬物抗体産生の機序の一因としてBAFFが関与している可能性が考えられ、TNFi使用中の二次無効や有害事象発現の予測にBAFF濃度を合わせて測定することの有用性が示唆された。TNFiは非常に高価な薬剤でもあることから、本研究結果は患者のみならず医療経済への貢献にも繋がると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)