Creation of innovative quantum repeater technology for semiconductor spin qubits based on photon-spin quantum state conversion
Project/Area Number |
23H05458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Broad Section D
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大岩 顕 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10321902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都倉 康弘 筑波大学, 数理物質系, 教授 (20393788)
岩本 敏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40359667)
木山 治樹 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80749515)
澤野 憲太郎 東京都市大学, 理工学部, 教授 (90409376)
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Project Period (FY) |
2023-04-12 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥205,140,000 (Direct Cost: ¥157,800,000、Indirect Cost: ¥47,340,000)
Fiscal Year 2024: ¥34,710,000 (Direct Cost: ¥26,700,000、Indirect Cost: ¥8,010,000)
Fiscal Year 2023: ¥60,060,000 (Direct Cost: ¥46,200,000、Indirect Cost: ¥13,860,000)
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Keywords | 光子―スピン量子インターフェース / Ge量子ドット / 量子中継 / スピン量子状態発光素子 / 量子ドット / 光子-スピン量子インターフェース / 光子ースピン量子インターフェース |
Outline of Research at the Start |
将来の量子情報の社会実装に不可欠な量子ネットワークの要素技術である量子中継技術の革新的な発展を目指し、半導体スピン量子ビットとナノフォトニクス技術に基づく光子―スピン量子インターフェースの高度化と新たな量子機能の創製のための学理を研究する。具体的には、通信波長光子の偏光状態からスピン状態へ高効率に変換し、長いメモリ時間を持つ高性能量子インターフェースと、スピン状態からもつれ光子対を生成する新しい量子光源のための基礎学理の研究を遂行する。これにより量子中継開発を大きく進展させる新しい半導体量子スピンフォトニクス分野を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
大岩グループと岩本グループは、既に設計及び作製の実績を有するGaAs量子井戸基板に作製したブルズアイ共振器について、量子ドット作製プロセスの確立と量子ドット形成を試み、光子―スピン変換効率の原理実証に向けた基礎実験を進めた。 Ge量子ドットについて、大岩グループは歪量子井戸の移動度や有効質量などの評価とともに、量子ドットの設計・作製を進めた。都倉グループは、光子―スピン量子状態変換の理論検討の一環として、Ge結晶のΓ点近傍の伝導帯の電気的/磁気的特性をk・p摂動により解析を進めた。また光子偏光状態から正孔スピンへのコヒーレント転写過程でその忠実度に影響を与える電子のダイナミクスの特徴を抽出した。加えてGe正孔スピンの電気双極子スピン共鳴(EDSR)の理論構築を進めた。岩本グループは、Ge量子ドットの生成および電気伝導が可能なブルズアイ共振器の基礎設計を行った。また、ブルズアイ共振器構造で不可避な基板の影響を利用し、効率向上が可能であることを理論及び数値計算で示し学術論文として出版した。澤野グループは、分子線エピタキシーによる高品質歪みGe量子井戸構造の形成のために、下地となるSiGe歪み緩和バッファー層の形成技術を検討した。Si基板上にGeバッファー形成後、SiGe緩和層を形成した際に、部分的に結晶クラックが発生することを発見し、さらにパターニング手法によってそれを抑制できることを明らかにした。 木山グループは、ベル測定可能でブルズアイ共振器内への導入に適した量子ドットアレイ構造に関して、十字型5重量子ドットを考案し、さらに光励起された2個の電子スピンに対するベル測定手法を考案した。 大岩グループは、n型/p型直列2重量子ドットを含むアンドープ量子ドットを設計し作製した。しかし絶縁体を挟んだ金属ゲート間でリークがあり、動作の実証には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GaAsブルズアイ共振器における量子ドットの形成及び電気伝導性の測定は計画通りに進んでいる。今年度、ブルズアイ共振器中のゲート制御量子ドットの作製プロセスもおおむね確立できた。 Ge量子ドットはデバイス作製がほぼ完了しているが、動作確認は遅れている。またGe量子ドットでの光子―スピンコヒーレント転写の理論提案に向け、Γ点での電子スピンのg因子の計算についてもまだ先行研究結果の確認ができておらず当初予定より少し遅れている。コヒーレント転写の忠実度解析は予定通りであるが、並行して変換効率についても改めて考察が必要であることが明らかになった。EDSRの特性調査は順調に進んでいる。一方で、Geブルズアイ共振器の設計に関しては、量子ドット形成のためのチャネル(幅100 nm)及び電気伝導のためのチャネル(幅150 nm)を同時に有するGe/SiGe量子井戸スラブ型ブルズアイ共振器の基礎設計を完了できた。 結晶成長では、歪みGe量子井戸形成の前段階としてのSiGeバッファー層の形成過程において、当初は予期していなかったクラック結晶欠陥の発生という問題が生じたものの、新たな手法の適用によってそれらはほぼ解決できることが示され、今後の高品質歪みGe層形成に円滑に繋げられる基盤は整ったため、順調に進んでいる。 ベル測定用2次元量子ドットアレイについては作製用の装置の導入が当初計画より遅れてしまったため、デバイスの作製が遅れている。ブルズアイ共振器内への導入に適した量子ドットアレイ構造および光励起された2個の電子スピンに対するベル測定手法の検討に関しては、概ね計画通りに進んだ。 面内量子ドットLEDについては、n型/p型量子ドットの設計と作製を完遂するとすることができた。量子ドット形成はまだ達成できていないが、ほぼ順調である。 以上のように、いくつか遅れている項目があるものの、概ね順調に進展してる。
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Strategy for Future Research Activity |
大岩グループと岩本グループは、GaAs量子ドットを含むブルズアイ共振器を作製し、GaAsブルズアイ共振器を用いた光子―スピン変換効率向上の原理実証を行う。大岩グループは、Ge量子ドット動作と電荷検出を実現し、都倉グループが提案するコヒーレント転写の実証実験を推進する。また面内量子ドットLEDの作製方法を改善し、n型とp型量子ドットの形成と量子ドット領域からの発光検出を試みる。 都倉グループはGe量子井戸でのΓ点でのg因子解析は研究を加速させる。光子―正孔スピンの変換の忠実度と効率の結果については成果をまとめる。量子ドットアレイでの正孔のEDSRと交換相互作用を検討しベル測定の特性を評価する。Ge核スピンと正孔の相互作用の研究を開始する。 岩本グループはGeブルズアイ共振器に関しては、引き続き設計の最適化を行いさらなる性能向上を目指す。また澤野グループと共同してGe/SiGe量子井戸基板を用いたプロセス開発を行う。 澤野グループは、パターニング手法をより高精度化することで、高品質SiGe緩和バッファー層を完成させ、その上に歪みGe量子井戸構造を形成し、高移動度2次元正孔ガスを観測する。さらにこの構造の絶縁基板上への転写技術を開発し、Geブルズアイ共振器のために歪みGe-on-Insulator (GOI)の形成に向けた技術開発を進める。また、ブルズアイ共振器用のGOI形成も開始する。 木山グループは、2次元量子ドットアレイの作製を進め、電子数およびトンネル結合の制御手法を確立する。また昨年度考案した十字型5重量子ドットについて、光学特性を考慮した検討を進め、また電極構造の改善によって制御性の向上を図る。さらに同構造について、GaAs2次元電子基板を用いて試作を行う。
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Report
(3 results)
Research Products
(31 results)