Ethical Considerations on the Normative Discourse of Child Abuse
Project/Area Number |
23K00009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小西 真理子 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (30793103)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 暴力 / 虐待 / 世代間連鎖 / ケア / 依存 / トラウマ / 回復 / 児童虐待 / 家族 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日米の児童虐待をめぐる言説を検討することで、その規範的言説に内在する暴力性をあぶり出すと共に、現代的なケアを取り巻く思想の問題点を指摘し、その再構築を行うものである。①児童虐待をめぐる規範的言説を検討し、その言説が虐待のある家庭で育ったとされる一部の人びとに対していかに暴力的なものとして作用しているのかを明らかにする。②規範的言説によって否定されたり、哀れみの対象とされたりする当事者らの声を検討することで、その当事者の声のなかにある聞き逃されがちな「抵抗」の萌芽を明示化する。最後に、非典型的な被害者に見いだされる(病的とされる)視点をもって、ケア思想を批判的に再考する。
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Outline of Annual Research Achievements |
(1)暴力関係の被害者が加害者のもとを離れない理由について、通説的な語りとは異なる語りを起点とし、そのような語りをする〈当人〉の生き方と、そのような人に対して〈第三者〉がいかに応じるべきかについて検討した内容をまとめ、単著『歪な愛の倫理:〈第三者〉は暴力関係にどう応じるべきか』(筑摩書房、2023年)を出版した。 (2)ケアの倫理の研究およびその批判的検討を進めている。第一に、提唱者であるキャロル・ギリガンによる主著『もうひとつの声で』以降の思想の集大成の著書でもあるJoining the Resistanceを邦訳し、『抵抗への参加:フェミニストのケアの倫理』(小西真理子、田中壮泰、小田切建太郎訳、晃洋書房、2023年)を刊行した。第二に、キャロル・ギリガンの『もうひとつの声で』『抵抗への参加』『人間の声で』における思想的変遷を検討した上で、ギリガンのケアの倫理が「異なる声」を捉えることの意義を強調した論文「〈人間の倫理としてのケアの倫理〉に対する批判的考察」を『JunCture』(名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センター、2024年)に掲載した。第三に、ケアの倫理学者であるエヴァ・キテイの依存労働をめぐる議論と共依存の言説を検討することで、ケアの倫理理論に包摂されづらい依存労働者のケアについて考察した。この内容は学術書(共著)として公開予定になる。 (3)ギャンブル依存問題の回復施設であるワンデーポートおよびパチプロの方々の調査を進めた。 (4)児童虐待当事者へのインタビュー調査を継続して行っている。 (5)カップルにおける共依存的なあり方および関係性の検討を継続的に検討を深めており、それらの内容は「ただ安堵したいだけ」『ユリイカ』(青土社、2023年)、「共依存とカップルセラピー」『臨床心理学』(金剛出版、2023年)などとして続々に刊行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の予定通り、単著や邦訳を出版した他、関連論文の掲載の掲載も含め、研究成果の公開を安定して行うことができた。また、依存症や虐待に関連する調査も順調に進行していおり、研究計画は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、回復言説の外側を生きる人びと、回復とは異なる語りを見せる人びとに焦点を当てて研究を深めていきたい。目標としては、そのような生き方についてのエッセイを執筆し、研究者コミュニティの外側にいる人たちにも触れやすい著書として研究成果を公開することを考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)
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[Book] 歪な愛の倫理2023
Author(s)
小西 真理子
Total Pages
240
Publisher
筑摩書房
ISBN
4480017879
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