Project/Area Number |
23K00018
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
千葉 清史 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60646090)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | カント / 超越論哲学 / 実在論論争 / 知覚の哲学 / 国際共同研究 |
Outline of Research at the Start |
申請者は、2012年出版の著書Kants Ontologie der raumzeitlichen Wirklichkeitにおいて、カント「超越論的観念論」の反実在論的解釈を提示した。本申請研究は、これをさらに強化・発展させることを試みる。それにあたり、次の二つの課題が特に重要となる:(1) 最新の「超越論的観念論」解釈に留意して、反実在論的解釈を強化・アップデートする。(2) 2012年の著書では十分に扱われていなかった諸問題(例えば「超越論的感性論」「超越論的演繹」の反実在論的解釈の展開、ならびにいわゆる「経験的触発」をめぐる問題、等)に取り組み、反実在論的解釈をより十全なものとする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、まず(私の反実在論的解釈の最大のライヴァルとなると思われる)Lucy AllaisならびにTobias Rosefeldtの「形而上学的二側面解釈」(これは超越論的観念論の実在論的解釈の現在最有力な選択肢であると思われる)を、分析知覚論ならびに色の理論から再検討する、という作業を進めた。この問題は、以前に従事した科研費研究(基盤(C) 20K00017:「反応依存性理論を用いたカント的実在論の展開」)で十分な準備ができているかと考えていたが、進めてみると、以前の研究では見えていなかったさまざまな問題が表面化してきた。たとえば、AllaisとRosefeldtの解釈上の立場を分析する際に用いる予定だった「反応依存性」の適切な定式化に関する問題は、予想以上の困難を抱えていることが見てとられた。また、AllaisとRosefeldtの解釈を評価する際には、両者がアナロジーのために主に用いる色についての理論の評価が不可欠であり、これについても色についての現代の諸理論との突き合わせの必要性がわかってきた。こうした諸問題についての取り組みは2024年度にも継続していくことになる。 また、並行して、「超越論的観念論」解釈に関する2012年以降の(すなわち拙著:Kants Ontologie der raumzeitlichen Wirklichkeit執筆時にはまだ確認されていなかった)研究文献を、英語圏・ドイツ語圏に関して収集する、という作業に着手した。しかし、上述の課題にかなりの時間をとられた結果、この作業の進捗状況は思わしくない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Lucy AllaisとTobias Rosefeldtの(カント「超越論的観念論」についての)「形而上学的二側面解釈」の検討・評価のための準備に思いのほか時間がかかり、予定していただけの成果を残すことができなかった。これに伴い、2012年以降の文献調査に関しても、捗々しい成果を上げることはできなかった。また、国内外の研究者を招聘した研究会・シンポジウムを開催することもできなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度には、AllaisとRosefeldtのの「形而上学的二側面解釈」を分析知覚論ならびに色の理論から再検討する、という作業にまず一区切りをつけるところまで進め、現状までの成果を研究発表あるいは論文の形で公表することを目指す。また、2023年度には十分に進めることができなかった、2012年以降の関連文献の収集を進める。さらに、(応募時点の計画で2024年度に予定されていた)2012年以降に提案された「現象主義的解釈」(これは私が「反実在論的解釈」と呼ぶ物の一例と考えられる)の例として、特にNicholas StangとAnja Jauernigの研究を検討する、という作業を時間の許す限り進めていく。
|