Project/Area Number |
23K00061
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
木村 武史 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00294611)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 北米先住民 / 土着性 / Indigeneity / 真正性 / 混淆性 / 神話 / 土着的方法 |
Outline of Research at the Start |
グローバルな先住民宗教の研究では、先住民研究者が脱植民地化と先住民的認識論を基盤とした土着的方法を展開している。土着的方法では、先住民社会の主権と伝統的物語論を軸に、固有の文化価値を志向する土着性の構築が行われている。英語を第一言語として生活する先住民人口が増える中で、先住民言語で固有の土着性を表象しつつ、英語による土着性の説明が行われている。この土着的方法には真正性と混淆性の問題があるのではないかと考える。北米先住民宗教における土着的方法による土着性構築の問題を、文献調査と実地調査を通じて行う。先住民宗教における土着性概念の批判的検討により、宗教概念批判の議論の裾野を広げるのに貢献できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度開始に伴い、追加で必要研究書を購入するとともに、北米の先住民出自の研究者にIndigeneityに関する著作についてメールを送る。特に2023年度に授業でその著作を取り上げたニュー・メキシコ大学のディネ(ナバホ)出自の研究者Llyod L.Lee教授とはメールで何度かやり取りを行った。現在のディネの人々の活動を知るために、Institute for Dine Culture, Philosophy and Gogernmentの過去の活動のビデオを見られるサブスクリプションをし、文化・伝統の教育、発信の様子を調査している。 2023年10月21日、筑波大学哲学・思想学会で「先住民宗教における土着性概念の再検討」と題する発表を行った。 2024年3月20日、拙稿「北米先住民宗教における死の神話」が所収されている木村武史編著『死の神話学』(晶文社)が刊行される。 2024年3月15日から23日まで、アメリカ、ニュー・メキシコ州を訪問。Indian Pueblo Culture Center, Acoma Sky City Museum, Navajo Nation Museume, Dine College 等を訪問する。Dine Collegeでは、ディネの研究者からディネ(ナバホ)の神話等について説明を受ける。Dine Hataalii Associationの関係者と面談をし、現在のディネ文化と母語継承の状況、および伝統的儀式の教育等について話を聞いた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、同一年度に二回渡米する予定であったが、急激な円安とアメリカ現地の物価高のため、一回しか渡米を計画することができなくなってしまった。そのため、2024年度の訪問する予定であった二か所のうち、一か所しか訪問できなかったが、十分な研究の進展は見ることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
申請時の予算から大幅に予算が減額されたこと、および円安と現地の物価高のため、現地訪問の回数と滞在日数を大幅に縮小しなくてはならなくなったこと、また2024年3月のディネ訪問で得られた人的交流を継続した方が研究の進展が見られることから、24年度の現地訪問にもディネを含められる形で研究を推進できなか検討する必要がある。当初の計画では、北西文化地域と東北森林文化地域も調査の対象としていたが、どちらか一方を計画から除くことも必要であると考えている。
|