日本と韓国・朝鮮そして英米における「信教の自由」をめぐる比較宗教史的研究
Project/Area Number |
23K00076
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
|
Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
李 省展 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 名誉教授 (10279664)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和寺 悠佳 (坂井悠佳) 和泉短期大学, その他部局等, 准教授 (20834071)
小檜山 ルイ 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70186782)
徐 正敏 明治学院大学, 教養教育センター, 教授 (70647255)
松山 健作 明治学院大学, 教養教育センター, 研究員 (70837765)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 信教の自由 / 日韓英米比較宗教史 / 帝国 / 植民地 / 人権 / 宣教師 / キリスト教 / ミッション / ミッションスクール |
Outline of Research at the Start |
近代社会においては「政教分離」と表裏をなす「信教の自由」は宗教にとって要である。本研究は「信教の自由」という観点から、帝国日本とミッションとの軋轢を、「内地」と植民地を結び、横断的かつ統一的に比較史的なアプローチでもって解明する。国家という枠組のみでは帝国日本の諸様相を充分に解明することはできない。西洋近代における市民社会の自由は、周辺に位置付けられた植民地への抑圧と 表裏一体であり、周縁における植民地政策は近代帝国形成における「実験場」でありえた。さらに植民地は近代帝国諸国と現地の政治・文化のインター・フェースでもあった。これらから帝国と植民地を複眼的に視野に収める研究が要請される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
23年度の研究実績としてまず第一に挙げるのは、8月31日―9月3日に韓国ソウルにて開催した研究合宿であった。合宿における研究発表に関しては、徐正敏、小檜山ルイ、李省展が行った。徐は東京でのキリスト者宣言と信教の自由、小檜山はアメリカとフランスにおける良心の自由、李は宣教師・マッキューンと信仰の自由に関する発表と議論を8月31日、9月2日の2日間にわたって行った。和寺悠佳は総合司会を務めた。9月1日は、終日フィールドワークを行った。培材学堂歴史博物館をはじめとして上記研究所・博物館をめぐり韓国の近現代史に関する理解を深めた。。 次に挙げるのは10月19日に四国学院大学にて開催された信教の自由に関する国際セミナーであった。韓国から金興洙(牧園大学校名誉教授)、崔起栄(西江大学校名誉教授)、柳大永(韓東大学校教授)を招き研究発表を行った。崔起栄名誉教授は、植民地期末におけるカトリックへの神社参拝の強要とその葛藤についてを報告し、柳大永教授は朝鮮民主主義人民共和国の宗教政策と信教の自由に関しての研究成果報告を行った。金興洙・徐正敏分担研究者がコメンテーターを李省展研究代表者が総合司会を務めた。四国学院からの教員の参加も得て活発な論議が展開された。その後、四国各地のプロテスタントならびにカトリック教会、さらに高知市立自由民権記念館などを訪問し、近代日本におけるキリスト教と歴史に関する理解を深めた。 資料収集においては、韓国・ソウルの韓国基督教歴史研究所と大阪の在日大韓基督教会館(KCC)とで実施した。前者ではウイリアム・グリフィス関連文献、ならびに金マリアに関する資料調査・収集を行った。後者では、故・呉允台牧師関連の資料を調査・収集した。グリフィスに関する収集資料は、研究代表者が国際日本文化研究センターでの口頭発表に活用した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度は、為替の問題(円安)、物価の高騰などで海外での資料調査・収集を韓国以外でも実施予定であったが、取りやめざるを得なかった。それ以外は、比較的順調に推移している。
|
Strategy for Future Research Activity |
23年度の海外資料調査・収集の遅れを取り戻すべく、昨年セーヴした研究費を今年度の研究費に上乗せし、ハワイ大学 Center for Korean Studies にて資料調査・収集を実施する予定である。国内での資料調査・収集に関しては、明治学院キリスト教研究所、フェリス女学院歴史資料館、同志社大学今出川図書館、同志社大学人文科学研究所図書館、国際日本文化研究センター図書館、聖公会神学院図書館、国際基督教大学図書館、東京神学大学図書館、富坂キリスト教センター、在日韓国基督教会館(KCC)などにて実施する予定である。、 日韓・英米比較宗教史研究会に関しては、下記の2回実施する予定である。研究会9月のキリスト教史学会に合わせて、愛知県にて開催することにする。また2025年2月か3月に研究合宿を実施することにする。 本年度の各研究者の課題を昨年度の基礎研究からシフト・アップし、資料調査・収集と並行しながら、各人の「信教の自由」に関するテーマを絞る段階と位置付けており、研究会での討論や、相互の意見交換を通じて各研究者の研究方向性・指針を確立していくこととする。
|
Report
(1 results)
Research Products
(11 results)